【洞爺湖サミットに何を期待するか】(第5回)グローバルな平和育成への契機(後編)

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●最悪のシナリオの恐れ

 サミット直前にいくつかの新しい懸念も生まれた。朝鮮半島非核化を不確定にする「テロ支援国家解除」、「ムガベ独裁政権継続」に対し非難を控える、グレンイーグルズ・サミットでの250億ドル対アフリカ援助公約からの後退、温暖化対策につきハイリゲンダム・サミットを超えた実質的進歩が得られない、G8改革に日本は反対、というような事態では洞爺湖サミットはすでにたそがれる先進国クラブG8の終焉を決定的なものとしたと評価されるおそれがある。

 しかし一方で、19世紀のヨーロッパの大国による協議外交(Concert of Europe)のような限界があるものの、G8は改革と運営次第では世界の抱える緊急課題への対処に、国連と共に重要な役割を果し得るポテンシャルを持っていることも確かである。
(第6回に続く、全6回)

功刀達朗(くぬぎ・たつろう)
国連大学高等研究所客員教授
国際協力研究会代表
東京大学中退、米国コーネル大学で修士、コロンビア大学で博士号。国連法務部、中東PKO上級法律顧問を経て、外務省ジュネーブ代表部公使、フランクフルト総領事、国連事務次長補、カンボジア人道援助担当事務総長特別代表、国連人口基金事務次長を歴任。90年国際基督教大教授、のち同大COE客員教授。編著に『国際協力』(95)、Codes of Conduct for Partnership in Governance (99)、『国際NGOが世界を変える』(06)、『国連と地球市民社会の新しい地平』(06)、『社会的責任の時代』(08)など。
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