最新!「面倒見がよい大学」ランキング100 トップは金沢工業大、2位が東北大、3位武蔵大

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たとえばこんな授業がある。1年次必修の「修学基礎教育科目」だ。学生が1週間の優先順位や達成度、行動履歴や満足したこと、努力したことなどを記録し、修学アドバイザー(クラス担任)に提出する。それに修学アドバイザーがコメントをつけて返却する。これを1年間続ける。修学アドバイザーは学期の初めに全員と面談する。修学基礎教育によって、学生に気づきを促し、努力して自信を持ち、意欲を引き出していくことになる。それ以外にも、学生が授業だけでなく、高校時代に遡って分からなかったことを教員に聞くことができる、サポート体制をとっている。

さらに、学生が課外授業でいろいろなモノ作りができる、「夢考房」という施設がある。学生は興味あるプロジェクトに自由に参加できる。現在120ほどのプロジェクトが活動中だ。ロボット、ソーラーカー、小型無人飛行機など、さまざまなものを作り、コンテストで性能を競っている。今年からは授業で学んだことがこういったプロジェクトにどう役立つのかを明示した『e-シラバス』を学内で運用し始めているという。正課の授業と課外活動がリンクし、学んだことが現場にどう生かされるかをはっきりさせることで、学生のやる気を促す。このような教育を通して伸びた学生が高い就職実績を残している。地元の高校の進路指導教諭は「高校時代それほど目立たなかった生徒が、有名企業の就職を勝ち取り、見違えるようになって母校に戻ってきて驚いたことがあります」と語る。

2位東北大、3位武蔵大、4位に明大がランクイン

2位は東北大学、3位は武蔵大学、4位は明治大学、5位は国際教養大学、6位は産業能率大学、7位は九州工業大学だった。トップ10を見ると、比較的小規模な大学が多いのが特徴だ。国際教養大学は国際教養学部だけの単科大である。

東北大学については「生徒が生き生きしていて、教授が元気」(青森・県立高)、「学生に対する人材育成プログラムが充実している」(宮城・県立高)、「低学年からの少人数教育」(栃木・県立)などの評価だ。

3位の武蔵大は経済、人文、社会の3学部を擁する大学である。特徴は、“ゼミの武蔵”と言われるほど、ゼミナール形式の授業が多いことで知られる。このゼミナールは、今、注目のアクティブラーニング形式で、同大学は昔から積極的に実践してきた。進路指導教諭の評価も、ゼミについてのコメントが多い。「学生数が少なく、ゼミなどが充実」(埼玉・県立高)、「学習面のフォローだけでなく生活面も見てくれる」(千葉・私立高)、「ゼミが1年次から行われていることとキャリア教育の充実」(東京・都立高)などだ。

面倒見がよいと評価されるのは、やはり教育に特色がある大学。4年間の教育の成果が就職につながるわけで、まずは学生を入学後、どう伸ばしていくかが大切になってくる。身につけた知識と技能をもとに、思考力、判断力、表現力を磨き、主体的に多様な人たちと協働して学んでいく。文科省がいう「学びの3要素」をサポートしながら実践している大学が、面倒見のよい大学として評価されているといえそうだ。

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