今年の入試は私立大の出願が好調だ。大学通信の集計では、主要100大学について志願者数を調べてみたところ、現段階で昨年と比べておよそ9%も増えている。
今年の入試戦線は軒並み志願者増
志願者増の大きな理由は三つ考えられる。
ひとつは18歳人口の増加だ。実は今年は18歳人口が1万人ぐらい増えて約120万人になると見られる。受験生もそれに比例して増えている。2番目に、学部人気で文系の人気が高く、理系の人気が低い“文高理低”になっていること。大手私立大は文系学部の定員が大きく、文系人気だと志願者が増える。ここ2年間、大学の文系卒業生の就職状況がよく、文系学部の人気が上がっている。今年はとりわけ、経済・経営や社会学部の人気が高い。
3番目としては大手私立大の定員の厳格化が考えられる。大都市圏の大手大学が学生を取り過ぎているとの批判があり、そうした大学の入学者を定員に近づけさせ、地方の大学に学生が集まるようにするのが狙いだ。地方創生の一環として行われている政策で、大規模大学の場合、2015年までは定員の1.2倍を超すと、文部科学省から私学助成金がもらえなかったが、昨年からそのボーダーラインを段階的に引き下げており、今年は1.14倍、来年には1.1倍を超えると、助成金がもらえなくなる。
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