スタバ、「利益好調でも債務超過」の驚愕事態 上場廃止後、いったい何があったのか

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サザビーはハイセンスな海外ブランドを見いだす先見性には定評があり、SBJの成功はサザビーなかりせばありえなかっただろう。SBJは2001年にナスダック・ジャパン市場に上場。以後、サザビーと米スタバ本社は39.54%ずつを保有する筆頭株主同士だった。

”不平等条約”盾に米国本社が完全支配

転機が訪れたのはライセンス契約の期間を7年も残した2014年のこと。米スタバ本社がライセンス契約を盾にSBJの完全子会社化を目論んだのだ。

SBJと米スタバ本社のライセンス契約には、本社側は契約更新を拒絶でき、その場合店舗資産はすべて公正妥当な価格で米国本社が買い取れる規定があった。

更新を拒絶されれば、即会社解散となるSBJに選択の余地はない。筆頭株主のサザビーも保有株の売り渡しに合意した。

TOB(株式公開買付け)に関しては米スタバ本社が、買収のために設立したSPCであるSolar Japan HDが実施した。買収は3段階で行われた。ますSolarがサザビーの持ち株を1株965円、総額550億円で取得した。

次に一般株主の持ち株を1株1465円、総額310億円で買い取っている。その後、TOBに応じなかった株主に対しては、臨時株主総会で特別決議を経て、145億円で強制的に取得。最後に米スタバ本社の保有分を買い取り、この合計は1038億円になる。

米スタバ本社による完全子会社化の過程で何が起きたのか。ここでは日経新聞に掲載された2015年3月期、2015年9月期(決算期を3月から9月に変更)、2016年9月期という3つの決算公告を手がかりに、SBJのバランスシートの変遷を追ってみたい。

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