日本企業は、もっと中国リスクを真剣に考えよ

環境コスト急増から、最悪の共産党瓦解、内戦まで

すでに兆候はあります。たとえば2013年に入ってからの北朝鮮の異常な強硬姿勢は、かつてはこの国が「中国共産党の指揮系統下にある人民解放軍」にコントロールされていたものが、人民解放軍が共産党の言うことを聞かなくなったことを示している一例とも言えるでしょう。自衛隊艦船に対する中国艦船の射撃レーダー照射事件もそうです。中国共産党政権がまるで知らないところで、軍が独自の行動をとっているようなのです。

なぜアメリカは、オスプレイを日本に配備したのか

そうであれば、内乱鎮圧に出向いた軍が叛旗をひるがえしてクーデターを断行したり、あるいは軍同士で争いを始めたりすることも考えられます。というのも人民解放軍は大きく7つに分かれているのですが、それぞれ互いに仲がよくないのです。なにしろかつては軍閥の跋扈した国です。軍同士が争うようになれば、これはもう内乱で、収拾がつかなくなってしまいます。

内戦になれば、現地にいる日本企業は真っ先に標的にされるでしょう。この点では、オスプレイが日本に配備されてよかったと、私は思っています。内戦状態にある中国大陸から日本人を救出できるのは、オスプレイしかないからです。

2012年あたりを境に、中国から撤退するアメリカ企業が目立って増えていますが、彼らも中国がシリアのように内戦状態になるのを予期しているのではないでしょうか。

さらに深読みすれば、アメリカがオスプレイの日本配備にあれほどこだわったのも、そこに理由があると考えられるのです。万が一の場合、中国にいる同胞と同盟国日本の人々を救うため、安全性に多少の懸念はあるものの、大いなる救出能力を発揮するオスプレイを強引に日本に持ってきたのだと思います。

このように考えると、中国でビジネスを展開している日本企業や、日本人のリスク感覚の欠如には苦々しく思っております。いまや中国の体制の頂点にいる共産党幹部たちが、いつでも逃げ出せるように身構えているのです。中国にある日本企業やそこに勤める日本人には、「あなた方も万一の事態に備えてください」と叫びたいくらいです。

次ページこれから日本企業に重くのしかかる「環境コスト」
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