渡部建が指南、飲食店の「失敗しない」選び方 グルメ王はレビューサイトに惑わされない

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──年間500軒もの飲食店を巡り、食には一切妥協しない渡部さんが、幼少期にどのような食環境で育ったのかも気になります。

僕の母親は食に対してとても厳しくて、「炭酸飲料や市販のお菓子はダメ」という家庭で育ちました。食材もオーガニックのものが中心だったり。

思い返すと、そういう環境で育ったのはありがたいことだったのかもしれませんが、子どもはポテトチップや、色鮮やかなお菓子とかが食べたいじゃないですか。でもうちは、おふくろが焼いたくるみ入りのバナナケーキに、手作りのプルーンジュースという地味なおやつ。当時は、「なんでうちのおやつはこんな茶色いケーキなんだよ! 炭酸が飲みたいのにふざけんなよ!」と……(笑)。

好き嫌いも許してもらえず、野菜もたくさん食べさせられたりと、今思うと、正直あまりいい記憶がありません。でも、そういった子どもの頃からの経験や蓄積が今役に立っているのかもしれないと思いますし、たまに実家に帰っておふくろの手料理を食べると、やっぱりおいしいんです。生意気な言い方ですけど「やるな、おふくろ」と(笑)。

ルールと思えば、面倒くさくない

──気がつけば「芸能界のアテンド王」と呼ばれるくらい、周りから「いい店ない?」と聞かれるとのことですが、おすすめのお店を教えることを億劫に思ったことはありませんか?

取材当日は「行列のできる法律相談所」の取材班が密着。スタッフの“いじり”に笑顔で突っ込む場面も

最初の頃は、自分がおすすめのお店を教えて喜ばれるのが快感だったんです。相手がタレントさんの場合だと、お店の方が喜んでくれることも多いですし。そういうことを繰り返しているうちに、周りから頻繁に聞かれるようになってきたんです。

たとえば特番の収録中、テープチェンジの間にも、ひな壇に並んでいるタレントさんたちから「最近どこかいい店ある?」と聞かれるようになってきて、正直、だんだん面倒くさくなってきて……(笑)。

でも、その頃たまたま読んだイチローさんのインタビュー記事に感銘を受けたんです。「年間200本安打を達成するのは大変ですね」という記者の質問に対し、「“年間200本打つ”ということを自分のルールとして決めたから、辛くも大変でもない。そのプロセスや努力は、試合を見ている人には関係のないこと」といった趣旨のことが書かれていたんです。

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