「成績のよい子」は、だいたい何時に寝るのか

平均睡眠時間は8〜9時間程度が望ましい?

米国立睡眠財団(NSF)が信頼できる国際医学論文を集め、そこから睡眠時間の心身への影響をまとめ、推奨時間を2015年に発表しました。それによると小学生の年齢が含まれる6歳から13歳に推奨する睡眠時間もやはり9~11時間。

ただし10時間以上の睡眠ではあまり良い学力テストの結果が出ていないことが多いので、学力を第一に考えるのであれば、「夜8~9時就寝の9~10時間睡眠」を1つの目安にしてみるといいかもしれません。今のところ、国や人種による差は認められていませんが、年齢や体質などによってその子に合った睡眠時間はそれぞれ違うことも事実なので、上記の数字を参考にベストな睡眠時間を探してあげてください。

小学生の15%が「眠い」

さて、ここで興味深いアンケートがあります。前出の『基礎講座 睡眠改善学』で小学生の心身疲労状態を調査したアンケートによると、小学生が自覚している症状として1位「あくびが出る」20%強、2位「眠い」15%強、3位「横になりたい」15%、4位「目が疲れる」15%弱、5位「ちょっとしたことが思い出せない」15%弱、6位以下は「きちんとしていられない」「物事が気にかかる」「イライラする」など。まるで疲れたサラリーマンか、おじいちゃん、おばあちゃんからの訴えのようです。

では、これらの訴えの原因は何でしょうか? 1~4位の原因は主に眠気や睡眠不足からくるだるさです。日常の睡眠が不足していることを物語っています。5位以下は注意力、集中力のなさ、精神の不安定さが原因です。5位以下は、睡眠が足りないことにより、脳の前頭葉の働きが鈍ることにより起きる症状です。ということは実はすべては、十分な睡眠がとれれば、通常であればほとんどが解決しうる問題なのです。小学生がいかに睡眠不足なのかがわかりますね。

眠りはただ寝るだけの「無駄な時間」で「もったいない」と軽視され削られがちですが、小学生の例を見てもわかるとおり、眠りは全身の司令塔である「脳」をよりよく使うために必要不可欠なのです。

脳には神経細胞が集まっていて、体の各部位からの情報を処理し、信号を出して全身をコントロールしています。とても繊細なので、定期的に休ませないと、働きが鈍ったり、故障したりしてしまいます。脳が故障すると、成績が良い悪い以前に、正常な精神を保つこと、身体動作、健康で生きていくことすらも難しくなります。

学力の観点では、寝不足だと大脳の前頭連合野が打撃を受け、勉強する意欲や集中力が薄れ、論理的な思考もしにくくなるほか、記憶にも障害が出てきます。たとえば10時間の睡眠が必要な子どもが8時間しか眠らなかった場合、足りない睡眠時間は2時間です。「2時間の睡眠不足」は、お酒を飲んでほろ酔いの時と同じくらいの脳の働き(働かなさ)になるといわれています。

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