英語を話せる人は毎日「何を読んでいる」のか 「挫折しづらいもの」が最強の英語教材だ

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ほとんどの場合、前文は1つか2つの文です。ここでは「その記事が何について書かれているのか」「何が起こったのか」が端的に書かれています。ですので、前文を読むことによって記事の概要がわかります。

見出しや前文に知らない単語や表現があったとしましょう。あなたなら、どうしますか。

この場合、対処法は2つあります。1つは「考える」。もう1つは辞書や検索で「調べる」です。

私は、すぐに調べるよりも、少し寝かせて考えてみることを推奨します。もともと自分が興味のある分野や記事を選んでいるので、かなりの確率で「類推が利く」はずですし、画像や映像も役に立つでしょう。

また、頻出単語というのは文字どおり頻出しますので、毎日「ジム」に通っていれば、何度となく目に触れることになります。2度と目にしない単語であれば、あえて覚える必要がないとも言えます。こういう単語は、忘れてしまって一向に構いません。

もともと知らなかった単語も、何度も目にするうちに意味がわかってしまうこともあるでしょう。どうしてもわからずに気になるようであれば、調べてみてください。同じ「調べる」でも「知らないから調べる」と「気になるので調べる」は違います

少し寝かせてから調べることで、その後の記憶への定着度合いは格段に高まります

強迫観念をなくせば英語力は伸びる

もう一度、やるべきことを整理してみます。要は「見出しと前文を読む」ということです。文の数はたかだか2つか3つくらいです。わからない単語や表現があっても構わないので、それを毎日続けてみてください。

はじめのうちは「続けること」「毎日ジムに行くこと」が大切になります。成功の秘訣は「毎日行きたい」と思えるジムを見つけることです。分野は何でもいいのですが、情報の鮮度が高いことは必須です。日々刻々と更新されていること。新しい情報はそれだけで価値があります。

日常生活の中で継続的に英語に触れる習慣がつけば、その先は自然にやるべきことが見えてきます。閲覧する記事の数を増やしてもいいですし、分野の数を増やしてもいいでしょう。たとえば、CNNの「Technology」と「Economy」の記事を1つずつ、といった具合です。

もちろん、1つの記事について、前文だけでなく記事全体を閲覧することもできます。ただし、その際には注意点があります。記事本文に入った途端に英文の量が激増するのです。ようやく歩き慣れたころに、マラソンを強いられるようなものなので、一気にハードルが上がります。

雑誌の定期購読と同じで、「全部読まなきゃ」という強迫観念は挫折への第一歩です。記事全体の閲覧にトライするのは、よくよく準備が整ってからにしてください。

青野 仲達 ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授

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あおの ちゅうたつ / Chutatsu Aono

ブルーフィールド株式会社代表取締役社長。早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業。アメリカン・エキスプレスを経て、ハーバード大学経営大学院(Harvard Business School)にてMBAを取得。米国ボストンで世界最大級のオンライン英会話スクールとなったイングリッシュタウンの創業に携わり、2004年に株式会社GABA(Gabaマンツーマン英会話)を設立、2006年に代表取締役社長として東証マザーズ上場を果たす。著書に『MBA式英語学習法』(PHP研究所)、『リーダーになる人の英語力』(かんき出版)、『グローバル時代を生き抜くための ハーバード式英語学習法』『欧米人を論理的に説得するための ハーバード式ロジカル英語』(秀和システム)などがある。

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