男のための「職場で浮かない」香水活用術 スメハラ対策には「ひざ裏」への使用がお勧め

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香水を選ぶときには「どんな香りがいいか」を考える前に「自分がなりたいイメージ」を考えよう。たとえば「金融業界でグローバルに活躍する自分」であったり、「スポーツをアクティブに楽しんでいるような自分」といったイメージづくりから始めるのだ。香水はあくまで、自分のなりたいイメージを“香りで補強する存在”となるため、イメージと香りを一致させてみよう。

それができたら、次は百貨店の香水売り場などの店頭で、そのイメージにふさわしいブランドをピックアップしてみよう。たとえば「マリンスポーツをアクティブに楽しんでいる自分」をイメージするなら、シャネルやディオールといった人気ブランドのスポーツシリーズや、「海」や「透明感」をコンセプトにした香水に絞ることができる。そのなかから、有名ブランドと香水に特化したブランドのどちらがいいか。また、パッケージデザインの好みなどを考慮しながら香水を選別していこう。すると、あなたにふさわしい“自分らしい1本”に出合えるはずだ。

ちなみに、ブランドによっては、「オーデコロン」「オードトワレ」など、いくつかの種類に分かれており、戸惑うことがあるかもしれない。これは香りの「賦香率(アルコールに溶かした香料の割合)」による種別を表す。香料の割合が高い順に、オーデコロン、オードトワレ、オーデパルファン、パルファンとなり、香りの深みや奥行きが加わって、持続時間も長くなる。香水初心者やビジネスシーンで使うことを考えているのなら、軽やかに香るオーデコロンやオードトワレから選ぶのが安心だ。

下半身につければ「穏やかにふんわり香る」

香水を購入したら、続いてはその“つけかた”をお伝えしたい。一般的に香水は耳元や手首につける、とされているが、その方法ではつけはじめの香り立ちが強すぎる場合がある。すると、香水に対して苦手意識をもってしまう原因にもなりかねない。

そこで、基本的なつけかたとしてひざ裏や腰、背中につけることをおすすめしたい。香りは下から上に向かっていくため、下半身につけたほうが香りの広がりかたが穏やかになるのだ。また、腰や背中につけると、背面からまるでオーラのようにふんわりと香りを漂わせられる。しかも、ジャケットやコートを脱ぎ着するタイミングでも鼻をくすぐるので、このうえなく上品な印象を演出できるのだ。

応用編として、たとえば女性と一緒に過ごすときは、相手との距離感が近いか遠いかで、使う香水の種類やつけかたを変えよう。レストランのテーブル席のように、相手とある程度の距離があるならウード(沈香)やムスク系など、男性的で濃密な香りを使うのが有効。あなたの存在感を伝えることができるからだ。

ただ、カウンター席など、距離感が近いシートでは強い香りは避けたほうがいい。その場合はシプレやアクアといった透明感のある香りを選ぶと、スマートな印象を演出できる。また、肌が触れ合うような距離感であれば、香りに定評があるボディクリームをつけておくのも手。「ジョー・マローン・ロンドン」のウッドセージ&シーソルト ボディクレームのようなウッディ系のボディクリームを肌に塗り広げておけば、男性的な香りが体温とともにふわっとなめらかに立ちのぼる。

こうしてシーンに応じた香りの演出ができると、周囲への自己演出になるだけでなく、自分の気持ちのオン・オフも調整できる。仕事で大切なプレゼンがあるときは、気持ちを引き締めるために清涼感があるシプレ系を選んだり、あるいは、心身をリフレッシュするために柑橘系をつける方法もあるだろう。

このように香水は、単純に香りを楽しむためだけに限らないツールになる。自分が“なりたいイメージ”を補強し、仕事やプライベートへのモチベーションを高めるために、ぜひ香水にチャレンジしてほしい。

加藤 智一 美容ジャーナリスト

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1973年東京都生まれ。複数女性誌の編集部で美容・ファッションを担当し、アシェット婦人画報社(現・ハースト婦人画報社)に入社。女性誌の美容担当を経て2005年に独立。女性誌・男性誌・Webなどさまざまな媒体で編集・執筆を行うほか、講演はPRアドバイスも。最新のスキンケア情報、メイクアップのトレンドから美容医療まで幅広くカバー。著書に『お洒落以前の身だしなみの常識』がある。

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