米・家電見本市「CES」で目撃した新潮流とは

有機EL、AI・スマート家電にハイレゾも

VRは昨年、PS VRやHTC VIVE、Oculus Riftなど大物のヘッドセットが発売され、いまはひと段落して次の大物を待っているような雰囲気を感じます。もちろん既存のハード機器で楽しめるキラーコンテンツの登場も重要です。ソニーではグループ企業のソニーピクチャーズやソニーミュージックを巻き込みながら、いわゆる“ノン・ゲーム”タイプのVRコンテンツ制作を加速させて、ゲーマー以外のVRユーザー開拓を積極的に図る考えを表明しています。来年のCESが開催される頃には、ハード・コンテンツともにVR関連の大きなニュースも取材してお届けできるといいですね。

北米でもいよいよハイレゾブーム到来か

最後に、今年のCESで気になったオーディオ関連の話題をもうひとつご紹介します。CDよりも高音質なハイレゾ(ハイレゾリューションオーディオ)は、いま日本では徐々に認知が広がり、対応製品も増えてきました。一方で、欧米での開拓はいまだ道なかば。特に北米ではハイエンドオーディオや、一部のヘッドホンファンの間では浸透しつつあるものの、一般的な認知を獲得するには至っていないといわれています。去年までのCESでは、ハイエンドオーディオ系の出展が集うベネチアン・ホテルの会場では話題に上るものの、メイン会場のラスベガス・コンベンションセンターではあまり多くの展示を見かけることがありませんでした。

海外ブランドの商品も日本オーディオ協会が推進するハイレゾロゴを取得しはじめた

今年はちょっと雰囲気が変わりはじめていました。アメリカで次世代デジタルエンターテインメントの普及促進に向けて活動する業界団体DEGが、いまハイレゾに対応するポータブルオーディオやコンテンツを一堂に集めて展示する「Hi-Res Audio Pavilion」を構えて、色んな角度からハイレゾの魅力を紹介していました。

その中で最も興味深かったトピックスは、北欧に拠点を置く音楽配信サービス「TIDAL(タイダル)」が欧米でハイレゾ品質の音楽配信をはじめたことです。日本でもApple MusicやSpotifyといった音楽配信サービスが楽しめますが、多くはハイレゾどころかCD品質のクオリティにまだ達していません。

もっともそれは無理もないことで、もしハイレゾ音源のデータは容量が大きいので、インターネット経由で普通に配信すると通信トラフィックを圧迫してしまい、またLTE/3Gネットワークでスマホやタブレットを使って受信しようものならあっという間にパケ死を招いてしまいます。

今回、TIDALはメリディアン・オーディオという英国のブランドが開発したMQAと呼ばれる技術を採用して、ハイレゾの音源データ量を1Mbps(およそCD相当)のビットレートに変換して伝送するサービスを新しくスタートさせました。北米ではオーディオに限らず、ビデオコンテンツもインターネット配信で楽しむ文化とインフラが定着しているので、これまで普通にTIDALを楽しんでいた人々が、これからはハイレゾもふくめて聴き放題で試せる環境ができて、認知と普及が拡大する可能性が高まりました。これからは海外発のヒットチューンが続々とハイレゾ化されて日本にやってくることになるのでしょうか。海外ブランドからハイレゾ対応のオーディオ機器がさらに増える機会にもつながるよう、期待しましょう。

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