アップルが年始に「過去最高」を記録した理由 iPhoneやiPadは販売不振だが…
アップルは米国時間1月5日、アプリストア「App Store」の好調さを報告するリリースを掲載し、App Storeに関する最新の数字を発表した。それによると、2017年元日に2億4000万ドル(約280億8000万円)を売り上げたという。
App Storeは2008年、「iPhone 3G」発売と同時に開設された。現在220万本のアプリが登録されており、開発者が2016年末までに得た、販売や課金額から手数料の3割を差し引いた金額は200億ドル(約2兆3400億円)に上る。
今冬のハイライトは「スーパーマリオラン」
この冬のハイライトは、なんといっても「スーパーマリオラン」だ。2016年9月の「iPhone 7」発表イベントでアナウンスされたゲーム界で別格の人気を集めるキャラクターのアプリは12月15日にApp Storeで先行配信され、4日間で4000万ダウンロードと、過去最高を記録した。クリスマスに当たる12月25日や元日の1月1日にも、マリオは最も多くダウンロードされたアプリだったという。12月15日からの半月のダウンロード数だけで、2016年のアプリダウンロード数トップ10に入ったというから驚きだ。
アップルは個別アプリの売り上げについては示さなかったが、2016年12月のApp Storeでの売り上げは、30億ドル(約3510億円)となり、この数字も過去最高となった。
App Storeでは、2016年7月に「ポケモンGO」が配信され、こちらもダウンロード数や売り上げでトップ10に入るアプリとなった。そのほかの売り上げトップの顔ぶれを見ると、「モンスターストライク」、「クラッシュ・ロワイヤル」といったゲーム作品が並び、「ゲーム主導でのアプリビジネスの拡大」という側面が浮かぶ。
スーパーマリオランがほかのモバイルアプリと違うのは、1200円という高い金額設定をしている代わり、それ以上の課金が行われない点だ。
ユーザーからはいきなり高い金額の課金が必要となるこの価格設定に対して批判的な意見が集まっているが、これはアップルやモバイルゲーム業界にとっても、アイテム課金で継続的にユーザーからの課金を続けていくのか、買い切り型がよいのか、という試金石となっている。
これは、成熟していくアプリエコシステムの中で、どのようなビジネスモデルが適当かを判断していく意味で、重要だ。もしマリオが3カ月から半年経った段階で振るわない結果となった場合、「あのマリオでも買い切り型はうまくいかない」という失望を与える結果となるからだ。
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