「どんど焼き」で餅と書き初めを焼く意味

正月にまつわる蘊蓄100章

81. 一方、目上の人やお世話になっている人、地位の高い人に贈るものを「年賀」という

82. 年始の訪問の際、年神様へのお供え物を互いに持参したことが起源とされるが、いつしか手土産に変わった

83. 近年、洋風の御節料理なども登場し、正月行事も変化しているが、地方にはいまだ個性的な伝統も残っている

84. 青森県津軽地方の岩木神社と猿賀神社では旧暦1月7日に「七日堂祭り」という年占の神事が行なわれる

85. 秋田県に伝わる重要な小正月行事のひとつが、毎年2月14日に行なわれる「火振りかまくら」

86. これは炭俵や米俵に縄をつけ、そこに火をつけて振り回すという行事で冬の空に舞う火の粉がとても美しい

87. 富山県では1月6日夕方~7日にかけてが一年でもっとも大切な時とされ、この夜は「神の年越し」と呼ばれる

88. 静岡県の興津は長いしめ縄が有名で、家と家をつなぐように長いしめ縄を張り地域の四方をぐるっと囲む

願いを込めて

89. 京都には根ごと引き抜いた細い松の木を白半紙で巻き紅白の水引をつけただけの変わった門松が存在する

90. 非常に質素な門松だが、これは「根引きの松」と呼ばれ、〈根がつく〉との願いが込められている

91. また京都には三が日に毎日食卓に並ぶ鯛をにらむだけで一切箸をつけない「にらみ鯛」という風習もある

92. 四国地方にはその年に亡くなった家族がいる場合、12月に墓で餅を食べる「辰巳正月」という行事があった

93. 山口県の見島では、鬼の顔が描かれた奇妙な凧をあげる「鬼揚子(おにようず)」という風習が残っている

94. これは子の成長を願うもので、年末に家族・親せき一同で凧を作り、正月になるとみんなで空にあげる

95. 福岡県春日市、筑紫野市の一部地域では、「年末年始に三泊で実家に居てはならない」という風習がある

96. 三泊の場合はホテルや近隣の家に移動。叶わない場合は身に着けてきたものをひとつ実家に置かねばならない

餅を手に、見守るひとたち(写真:レスベラ / PIXTA)

97. 小正月の頃になると、日本各地で「左義長(さぎちょう)」または「どんど焼き」という行事が行なわれる

98. 各々持ち寄った門松やしめ飾りを神社や寺の境内で焼くもので、年神様はその煙にのって天上へ帰っていく

99. そのときの炎で焼いた餅を食べると無病息災、またともに書初めを燃やすと字が上達するともいわれている

100. 2017年の元旦は日本時間で午前8時59分59秒のあとに閏秒が挿入されるため1日が〈24時間1秒〉となる。

(文:寺田 薫/モノ・マガジン2017/1・2-16日合併号より転載)

参考文献・HP/『日本人のしきたり』(青春出版社)『日本人のしきたりがわかる本』(主婦と生活社)『子どもに伝えたい年中行事』(萌文書林)、日本鏡餅組合、紀文、日本文化いろは事典、鈴与商事、経産省ほか関連HP
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