自称非モテの40歳女性が明かす新婚のリアル セックスレスと病気という2大問題に直面

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桃子さんが抱えるもうひとつの課題は、うつ病を患っていることだ。病歴を明かしたら結婚がダメになってしまうかもしれない。淳さんに話すことができなかった。しかし、結婚後に自分の判断で断薬をしたところ、症状が悪化してしまった。主治医は「一度ダンナさんに会って説明をしたい」と言ってくれた。

「夫も糖尿病を抱えていて、私の病気に理解を示してくれました。いまはお互いに暗黙の了解でそれぞれの病気を自己管理しています」

昨夏、淳さんは糖尿病を主因とする脳梗塞になり、風呂場で倒れてしまった。桃子さんはすぐに車で淳さんを病院へと連れて行った。迅速な対応が良かったのだろう。淳さんは無事に退院して歩けるようになり、現在は復職に向けてリハビリ中だ。

幸いなことに淳さんの実家は裕福で、2人は両親が建ててくれた家で暮らしている。淳さんが休職をしてもすぐに困窮することはない。桃子さんは結婚するまでは淳さんの実家の経済力を知らなかった。しかし、持病を抱える2人が穏やかに生活するためにはおカネのゆとりは必要だ。甘えられるところには甘えるべきだと思う。親が年老いて動けなくなったら今度は2人が面倒をみてあげればいいのだ。

セックスだけが夫婦の証ではない

桃子さんはいま、淳さんとの「相性の良さ」を実感している。

「ずっと顔重視で婚活をしていました。いまだに第一印象は外見で判断してしまいます。でも、最終的には異性としてではなく人間としてのつながりが大事なのですね。そのためには人としての相性を見極めなくてはいけません」

桃子さんは淳さんと一緒にいるときが一番リラックスできると感じている。会話のキャッチボールもできるし、お互いに黙っていても気まずくならない。

「私がポロッと話したことをよく覚えていてくれるんです。こないだは一緒にカフェに行きました。どうしてその店を選んだのかを聞いたら、テレビ番組で紹介していたときに私が『いつか行ってみたい』と話したそうなのです。まめな男性っていいですよね」

女性としての自信があまりないという桃子さんだが、既婚男性である筆者からひとつメッセージがある。淳さんは確かに気遣い上手な男性だと思うが、面白くて気の合う桃子さんが相手だからこそ、その美点が特に発揮されるのだ。仕事でもないかぎり、あまり関心のない異性の何気ない言葉をよく覚えている人などはいない。

淳さんは桃子さんが好きなのだ。一緒にいて居心地がいいし、桃子さんが喜ぶ顔を見たいと思っている。だから、桃子さんの好みを自然と覚えている。桃子さんは淳さんから「しっかり愛されている」と自信を持っていいと思う。

セックスだけが夫婦の証ではない。相手がそばにいることに安らぎと面白さを感じて、いたわり合って暮らしていく。昔話に出てくる老夫婦のような姿だ。われわれ「晩婚さん」も先は長い。お互いに30代後半で結婚した桃子さんと淳さんの場合は、健康に気遣いながら暮らせば、あと40年間ほど一緒に生活する可能性がある。仲良し老夫婦のような形が彼らには最も適しているのかもしれない。

 

この「晩婚さんいらっしゃい!」企画では記事に登場してくださる”晩婚さん”を募集しています。35歳以上で結婚して5年目くらいまでの方(年齢はご夫婦どちらかが該当すればOK)でご協力いただける方は、こちらの申し込みフォームよりご連絡ください。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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