「ブサイクで申し訳ありません。インタビューに応じるような人は美しい方が多いですよね……。人生には3回のモテ期があるなんて聞きますが、私は一度も経験したことがありません。このデカ顔がネックなんです。お見合いパーティーのフリートークで、男性にまったく来てもらえない残念な女性がいますよね。それが私です。ああ、自分で言っていて傷つきます(笑)」
ここは名古屋駅近くにある老舗ホテル。名古屋における「お見合いのメッカ」のひとつであり、土日には初対面と思われる男女がロビーに数多く見られる。小田桃子さん(仮名、40歳)は本連載の愛読者であり、自らインタビュー取材を希望してくれた。あえてこのホテルで待ち合わせをすると、いきなり自虐ネタを披露。「とにかく面白い話を共有して一緒に笑いたい」というサービス精神が伝わってくる。
自分から惚れないと恋愛できない桃子さん
桃子さんは27歳から11年間も婚活を続けた。そして、「自分から惚れた」相手である淳さん(仮名、41歳)と結ばれることに成功。その幸せが初対面の筆者にも自虐ネタを話す余裕を生み出しているのかもしれない。
お見合いパーティーでは男性とゆっくり話すことはできないと悟った桃子さん。試行錯誤の末、「自分に合った」婚活の場を見つけた。お見合いバスツアーだ。
「男女ペアになって並びの席に座るので、ハブられる心配はありません。インターチェンジに着くたびに席替えです。旅の解放感もあるので会話が弾みやすいと思います」
神社仏閣が好きな桃子さんが淳さんと出会ったのは、愛知県内のパワースポットを巡るバスツアーだった。隣になった異性とは自己PRカードを交換して会話をし、気に入った場合はアプローチカードを渡すのがルールである。
「彼の自己PRカードにはディズニーランドが好きなことがミッキーのマーク付きで書かれていました。神社好きな私ですが、ディズニーランド好きには悪い人はいないとも思っています。会話の波長も合いました」
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