あえて「1日6時間労働」と決める絶大な効用 大きな仕事ほど細かく分けるとうまくいく

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もちろん極端な繁忙期で仕方がない時期もありますし、元々の仕事量自体が過剰であることも当然ながらあります。しかし、それほどでもない時でも気がつけば残業になっているという場合には、仕事の総時間を少なめに設定してどうやってそこに収めるかを考えるのも一つの手です。

近年、海外ではいわゆる9時~17時の8時間労働を見直す動きがあります。労働時間を短縮することで生産効率が上がるという意見が、学術の分野からも、実際の現場からも上がってきているそうです。

実はスウェーデンでは、8時間から6時間に一日の労働時間を短縮することで、生産効率が上がり、従業員の意欲も高まることを実証するため、国を挙げて試験導入を始めています。まだ実際には、6時間勤務とする企業の数こそ少ないものの、生産性向上の効果はすでに出ているようです。

米サンディエゴでは、午前8時に始まり、午後1時には終業する5時間労働という大胆な労働時間短縮を行い、社員の生産性とやる気を向上させ、もちろん給与も下げることなく、大きな収益を生み出した企業もあります。2014年に米サンディエゴで最も急成長した企業に選出されるくらいの効果があったと報道されました。

会社自体の労働時間を変えるのはとてもハードルが高い話ですが、自分の中で6時間に設定してみるということを、生産性を高める上での第一歩と考えることはできないでしょうか?

総仕事時間を少なめに考えたら、次のステップへ。すなわち、見積もった時間のさらに半分の時間でできないかやり方を考え、大きなタスクを細分化し、集中する時間を作り出すのです。これが仕事を倍速、4倍速にする基本的な考え方です。

締め切り時間を思い切って、半分に圧縮してみる

「考え方としては理想的だけど現実的に無理」「「やるべき仕事が終わらなければ残業も仕方ない」と考える方もいるかもしれませんね。でも本当にそうでしょうか。

私も以前は残業が当たり前でしたが、外資系企業で海外の人と働いていると、同じ企業で同じビジネスをしているにもかかわらず、彼らは定時で帰っていきます。よって長時間労働が問題になることはほとんどありません。

海外勤務を経験した日本人も定時で帰っていましたし、「子どもができると『お迎え』があるため勤務時間内での生産性が上がった」という話もよく聞きます。「終わらなかったら残業」という意識を変えないかぎり、いくらスケジューリングを綿密にしても意味がないと痛感します。

時間内で仕上げられるようになるための訓練として、まずおすすめしたいのは、「締め切りを半分に区切る」こと。

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