あえて「1日6時間労働」と決める絶大な効用 大きな仕事ほど細かく分けるとうまくいく

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情報収集をネットでしながら、パワーポイントで資料を作成する……これは発散と収束と形にする作業を同時にしてしまっている典型例です。資料を作りながら考えるのは一見速いように思えますが、資料のイメージをできるだけ具体的に考え抜く収束作業を紙で行うなど、時間も手段も分けて行ってから、パワーポイントで一気に形にしたほうが圧倒的に仕上がりまでの時間は短くなります。

これは会議などでも同様です。情報共有や意見やアイデアを出すなど発散の議論のときに、情報や意見にいちいち「これはいいか、悪いか」などの判断をしたり、結論を考えていると無駄な時間がかかってしまいます。「意見を出す発散は30分、残り15分になったら結論を出す」など時間を区切っておかないと、延々と話し合いが続き、気がつけば終了時間になってしまうでしょう。

会議の時間は1時間ではなく、30分に

私は日本企業と外資系企業の両方の会議を数多く経験しましたが、いちばん大きな差は会議におけるゴール設定と時間管理だと思っています。日本企業の会議はそもそもの設定時間が長めで、会議のゴールや進め方の意識合わせがあいまいなまま、何となく情報共有が始まり、ポツポツと意見が出て、気がつけば終了時間になり、延長戦にもつれ込んだり、次回に先送りになることが多かったと感じています。

実際に外国人社員からは、「日本人は遅刻にはすごく厳しいが、終了時間が延長することや意思決定を先延ばしにすることにはとても寛大。時間内で絶対に決めるという意識が薄いよね」と言われたこともあります。

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外資系企業では日本企業同様に会議の数は多いものの、ひとつのテーマで意思決定する会議の時間は、平均で30分くらいでした。これは大体日本企業の会議と比べると半分の時間です。

情報共有は事前に資料を送っておくことで単なる情報共有の時間を減らし、選択肢を出して意見を洗い出し(=発散20分)、最後に意思決定してToDoを決める(=収束10分)というパターンで、合計30分というのがよくあるケースでした。残り時間が少なくなると、誰からともなく「あと何分で決めるんだっけ?」と言い出して議論を整理しだしまとめるので、終了時間を延長することはほとんどありませんでした。

工程をしっかりと区切ることができれば、今何をしなくてはいけないのかというスイッチが入りやすく、時間オーバーのリスクは減ります。また、工程が分かれていることで、時間内に終わらなかったときも、どこをどう短縮すればいいのかが見えてきます。これは3時間でも30分のタスクでも同じですが、もともとの時間が長いほど失われる時間も延びますので、より意識して区切るようにしましょう。

皆様の仕事の生産性が向上し、すばらしい1年となりますことを願っています。

清水 久三子 アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント

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しみず くみこ / Kumiko Shimizu

アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント
大手アパレル企業を経て1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして新規事業戦略立案・展開プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成し遂げられない」との思いから専門領域を人材育成分野に移し人事・人材育成の戦略策定・制度設計・導入支援などのプロジェクトをリード。コンサルティングサービス&SI事業の人材開発部門リーダーとして5000人のコンサルタント・SEを対象とした人材ビジョン策定、育成プログラム企画・開発・展開を担いベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた

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