大企業の若手はなぜベンチャーに憧れるのか

企業横断の勉強・交流会が狙う閉塞感の打破

答は簡単ではない。「日本の大企業はもう終わった」などと未来ある学生に熱弁をふるい始めるベンチャー経営者などは、ウケは良いのだろうが不誠実だ。日本の大企業ダメだ論は数十年に渡り展開されている。少なくとも私が就活をしていた90年代半ばにもそんな論はあった。たしかに、その後、経営破たんしたり外資系に買収された企業なども存在するが、全ての大企業が破綻したわけではない。

「大企業は体質が古くて、ベンチャーは風通しが良い」

「大企業は新しい仕事をさせてくれないが、ベンチャーはなんでもやらせてくれる」

「大企業よりベンチャーの方が成長のスピードが早い」

この手の話も一般論として正しそうで、簡単には論じられない。特にメディアや意識の高い就活生は、大企業のことを悪く言いがちだ。社長や社員の顔が見えない、スピードが遅い、組織が硬直している、などである。これもあくまでイメージの話であって、実態は各社によって異なる。逃げているかのような答になるが、「その企業による」というのが正しい答だ。

ベンチャーの良いところばかり見えていないか

特にベンチャー企業は、どのステージに、どのポジションで入るのかにより大きく異なる。上場後も創業に関わった経営陣や部長だらけで「若き老害だらけ」で逆に風通しが悪いということもありえる。何でも自分でやらなくてはならないので、たしかに成長できるが、そのうち自分の成長の速度が企業の成長の速度を追い越してしまうことだってある。

成長を常に期待されるが故に、ビジネスの道から外れたことに手を染めてしまうことだってあるのは、今年報じられたベンチャー不祥事を見ても明らかだろう。DeNAの問題なども記憶に新しい。

このようにベンチャー企業に行けばいいというわけではないのだが、では大企業に行けば良いのかというとそうでもない。正直なところ、自分と自社にもっと自信を持ってもらいたいと思ったりもしたのだが。よく大企業の閉塞感が語られるが、実際はこのようなベンチャー妄想による部分も大きいのではないか。

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