しかし、送り手からは相手の精神状態など読めませんし、予測もできません。ですから、通常の内容のメールであればそこまで配慮する必要はありません。注意が必要なのは、「断り」「話の食い違い」「詫び」「お願いしにくい要望」など、ネガティブな内容を含んだ内容の場合です。
文字でのやりとりは、読み手の受け止め方次第で意味合いが変わってしまいます。そこに書かれている文字以外に、表情や声色など言葉のニュアンスを読み取る情報がないからです。
見返すたびに、相手の怒りは燃え上がる
仮に、やりとりの中で食い違いが生じて、読み手が「なぜ言いたいことが伝わらないんだ!」と苛立ちを感じているときに、新たにあなたからメールが送られてきたとしたら、送る側が意図していなくても、行間から否定的なニュアンスを受け取ってしまうかもしれません。
たとえば、「恐れ入りますが、具体的にご説明いただいてもよろしいでしょうか」という一文が、読み手の頭の中で「もっと具体的に説明してくれないと何を意味しているのかわかりません(怒り)」に変換されてしまうのです。
メールというのは、削除しない限り読み手の手元に残るもの。メールを見返すたびに、読み手のネガティブな感情はどんどん増大していきます。
ただ、送り手が相手の気持ちに気づかないこともあります。実際はカンカンなのに、読み手の返信がやけに冷静な文面で送られてきた場合です。それきりの関係なら良いですが、その後も付き合っていくのなら、両者の関係に生じた温度差によって、関係にヒビが入ることも十分あり得ます。
その上、送り手のメールの書き方がマズいと、一層火に油を注ぐことになります。
●相手を逆上させるメールの1例●
いつもお世話になっております。〇〇社の山田です。
先日は弊社までご足労いただき、ありがとうございました。
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