米大統領選トランプ勝利が突き付けた課題

主要メディアが「敗北」した

マンハッタンにあるニューヨーク・タイムズ紙本社を訪れたドナルド・トランプ氏(写真:Sipa USA/amanaimages)

これを書いている2016年11月16日現在、米大統領選挙の投開票日から1週間以上経っているにもかかわらず、ニューヨーク市民の間では、混乱が続いている。リベラルで、ヒラリー・クリントン民主党候補の支持者が多いためで、ドナルド・トランプ共和党候補の当選には激しい抵抗があるからだ。

主要メディアを上回る嘘情報のシェア

当記事は『GALAC 1月号』からの転載記事です。(上の雑誌画像をクリックするとブックウォーカーのサイトにジャンプします)

ニューヨークをはじめ大都市では、投開票から6日間も、「トランプは私たちの大統領じゃない」と叫ぶ人々がデモを展開した。また、南部貧困法律センターによると、投開票翌日から5日間で、全米で437件の「ヘイト」から発したとされる脅迫や嫌がらせがあったと発表した。アフリカ系などの移民やイスラム教徒、さらに女性に対するものもある。

そしてメディア業界も、今後4年間、ホワイトハウスのあるじとなるトランプ氏やその側近とどう接していくのか、戸惑っている。

トランプ氏の勝利は、主要メディアにとって「敗北」の瞬間だった。トランプ氏の女性セクハラ問題や、彼の事業における人種差別、合法的に税金を逃れてきた問題などを調査報道してきたが、多くの有権者にはそれが伝わらなかった。もはや、伝統的な新聞やテレビは、「主要」あるいは「主流」ではなかったといえる。

それを裏付ける数字も出てきた。バズフィードは、トランプ氏とクリントン氏に関する記事で、主要メディアのトップ記事20本と、嘘を伝えているトップ記事20本が、フェイスブックでどれほどシェアなどのアクションを呼んだかを調べた。それによると、16年2~4月は、主要メディアが1200万超、嘘のニュースが300万弱だったが、嘘のニュースへのアクションが投開票日前に急上昇。投開票日直前には、主要メディアが730万だったのに対し、嘘の情報が870万と上回った。

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