ラニーニャ発生で今年の冬は相当寒くなる? 11月に54年ぶりに東京で初雪もしかして

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私は2016年の2月に豪雪地帯で知られる新潟県津南町に、気象予報士仲間と訪問したのですが、最も積雪の多くなる2月中旬に行ったにもかかわらず、訪れた日の積雪は1メートル弱で、積もった雪の上の面が道路から見える状態でした。通常だとこの時期は2~3メートルも積雪があるので、道路の横に雪の壁が立ちはだかり、積もった雪の上の面は見られないのだそうです。しかも、よりによって雨まで降ってきて、「今は2月だよね? ここは豪雪地帯だよね?」とツッコミを入れたくなったものです。

なぜ異常気象は発生するのか

このような異常気象は、なぜもたらされるのでしょうか。それは、海と大気が相互に影響しあっているからです。近年は観測網が整備されて研究も進み、エルニーニョやラニーニャのときに、海や大気ではどのようなことが起こっているのか、なぜ異常気象が発生するのかが徐々に明らかになってきています。

(出所:気象庁ホームページを参考に作成)

それでは、エルニーニョのときにはどのようなことが起こっているのか。それを知るには、まず通常時の海と大気の状態を理解する必要があります。赤道付近には、貿易風と呼ばれる東風が吹いており、赤道付近の海面付近にある暖かい海水は、貿易風によって西側(フィリピンやインドネシア付近)に運ばれます。そして、東側のペルー沖では、下から冷たい海水が湧き上がってくるため、赤道付近なのにもかかわらず、海面水温が低くなります。

(出所:気象庁ホームページを参考に作成)

ところが、エルニーニョが発生するときは、何らかの理由で貿易風が弱まります。すると、暖かい海水も西側に運ばれにくくなり、ペルー沖も冷たい海水が湧き上がりにくくなります。だから、ペルー沖の海面水温が普段よりも高くなるのです。

海面水温が高いところでは、海水が活発に蒸発し、上昇気流が起こって積乱雲が発生しやすくなります。上昇気流が発生する場所は、気圧が低い場所ともいえます。エルニーニョでは、海面水温の高い場所が平常時よりも東側にあるため、気圧の低い場所も平常時よりも東側にずれます。

(出所:気象庁ホームページを参考に作成)

一方、ラニーニャが起こっているときは、貿易風が平常時よりも強くなり、暖かい海水がより西側へ運ばれるため、ペルー沖の海面水温が平常時よりも下がります。そして、気圧の低い場所も西側にずれるのです。

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