ラニーニャ発生で今年の冬は相当寒くなる? 11月に54年ぶりに東京で初雪もしかして

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気圧の低い場所と高い場所は交互に並ぶ傾向にあるため、平常時とは違う場所の気圧が低いと、そこから遠く離れた場所の気圧も平常時と比べて高くなったり低くなったりします。こうして、赤道付近の海面水温の変動が、日本の天候にも影響を及ぼすのです。

さて、エルニーニョが起これば、暖冬・冷夏になるといわれていますが、ラニーニャが起こればその逆で厳冬・暑夏になるといわれています。たとえば、前回ラニーニャ現象が発生していた2010年12月~2011年1月にかけての冬は、たびたび強い寒波が流れ込み、1月としては1986年以来25年ぶりの全国的な低温となりました。また、2010年の12月から2011年2月にかけては、アメダスを含む22地点で積雪の深さが観測史上1位 を更新しました。

今年の冬はどうなるの?

では、今年の冬は寒くなるのでしょうか。気象庁地球環境・海洋部気候情報課の竹川元章予報官によると、「12月~2月の平均気温は、北日本では平年並みか高く、東日本ではほぼ平年並み、西日本と沖縄・奄美地方では平年並みか低い」とのことでした。

ラニーニャが発生しているのに、気温が平年並みよりも高い地方があるというのは意外です。これは、ラニーニャが発生している影響で、太平洋の西側、すなわちフィリピン付近の海面水温が高く、上昇気流が活発になって積乱雲が発生しやすくなることが理由です。

この活発な大気の対流活動は、日本付近の上空付近を吹いている偏西風に対して、中国のあたりで北に蛇行させるように働きかけます。すると、中国よりも東の日本の東で南の方向に蛇行しやすくなるのです。これによって、冬にシベリア付近で発生するシベリア高気圧がより南側に引き込まれやすくなります。シベリア高気圧は強い寒気で構成されているので、西日本や沖縄・奄美方面にシベリア高気圧が張り出すことで、寒い冬となるのです。

一方、北日本付近は、偏西風が南に蛇行することに対応して気圧の谷となるため、低気圧が発達しやすくなります。この低気圧は、平常時よりも日本に近い場所にあり、暖かい空気を運んできます。加えて、全球規模で大気全体の温度が高い傾向もあり、北日本は平年よりも暖かくなるのです。そして、東日本は、寒い西日本と暖かい北日本の間にあるため、平年並みになりそうだというわけです。このような大気の流れは、ラニーニャが起こっているときの典型的なパターンだそうですが、ラニーニャがいつまで続くのかも、偏西風の蛇行度合いもその年によって違うので、予報は今後変わってくる可能性があります。

毎月10日頃に発表される「エルニーニョ監視速報」や、毎月25日頃に発表される3カ月予報をチェックして、最新の状況を確認することをおすすめします。

今井 明子 気象予報士・サイエンスライター

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いまい あきこ / Akiko Imai

2001年京都大学農学部卒。酒メーカー商品企画部、印刷会社営業職、編集プロダクションを経て、2012年からフリーに。子ども向けや一般向けにわかりやすく科学を解説する書籍や記事を多数執筆。著書に『気象の図鑑』(共著、技術評論社)、『異常気象と温暖化がわかる』(技術評論社)がある。ほか、医療・健康、教育、旅行分野も得意。気象予報士として、お天気教室や防災講座の講師も務める。

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