「PDCAを回せない人」は実行のコツを知らない 5つのステップで計画倒れから卒業しよう

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実行力を上げるコツとは?(写真:deltaart / PIXTA)
いまやビジネスマンの基礎スキルとして、定着しているPDCA。Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善または調整)を繰り返して業務を改善していく手法ですが、この通りに回せている人は意外と少ないかもしれません。チーム一丸となって仕上げた計画も、2カ月もすれば積み残し案件ばっかりに――。野村證券で数々の最年少記録を打ち立ててきた元プライベートバンカーであり、『鬼速PDCA』の著者の冨田和成氏は、PDCAにおける実行力を上げるコツは、「DO」「KDI」「TODO」という3つの考え方にあるといいます。

「解決案」と「DO」と「TODO」の違い

PDCAサイクルの2つ目のフェーズは「実行」だ。実行フェーズとは、組織でいえば解決案を業務フローに落とし込み、チームであれば担当者に仕事を割り当て、行動スケジュールも切って予定どおりにやりきることまでを含む。こう書くと比較的理解しやすいだろう。

ただ、実際にこれから説明に入るにあたって紛らわしい用語があるので先に整理をしておこう。実行フェーズで最初に行うことは、「『PDCAを回せない人』にありがちな甘い計画」(11月18日配信)で触れたように解決案(目標達成・課題解決のためのざっくりとした「やるべきこと」)を実現するために必要なアクションを考えることだ。

このアクションを、この記事では「DO」と表現する。たとえば、「役員まで出世したい」という目標のために、「会社の数字に強くなる」という解決案が挙がってきたとしよう。これをDOにする場合、「簿記の本を読む」といった行動が出てくる。

しかし、DOのままでは実際の行動に移しづらい。そこで、DOをもう一段具体的なタスクレベルに分解し、スケジュール設定までする。こうやってスケジュール化されたものを「TODO」と呼ぶ。「今日中に駅前の本屋で簿記の本を3冊買う」「1週間ですべて読む」といったレベルの話だ。

つまり、解決案を分解したものがDOで、DOを分解したものがTODO。分解するたびに数は増えていく。わざわざアクションをDOとTODOで2階層にしている理由は、1階層だとDOの状態で仕事を抱えっぱなしになることが多いからだ。

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