――確かに、「グーグラー」は世界中で浸透している言葉ですね。
グーグラーのように、そこで働く人について共通のイメージがあるというのは、日本だけでなく世界でみても希有だと思います。これは、HRや組織の考え方に1本筋が通っていないとできないことです。
メルカリは、今はフリマアプリをメインにやっていますが、これからどんどん違うビジネスも手がけたいし、中長期で成長する会社をつくっていきたいと考えています。
現状では、メルカリのブランドイメージは、どちらかというと「女性っぽさ」であったり、「柔らかさ」といったものですが、今後はメルカリで働く人のブランディングや、働く場としてのメルカリをどう見せていくのかを考えていかないといけない。そういう意味で、グーグルはすごく参考にしています。
メルカリ版「グーグラー」をつくる
――メルカリ版のグーグラーを作っていくということですね。
そうですね。そもそも、日本の人材マーケットでの採用方法には違和感を持っています。日本的なやり方だと、たとえば100人を採用するとき、数千人ぐらいの母集団をつくらなくてはいけない。そこからどんどん減らして、最終的に100人を採用するのが一般的です。しかしこのやり方は、「会社としてこんな人がほしい」ということを詰め切れていないからだと思うんです。
メルカリは、2016年5月に「メルカン」というオウンドメディアを立ち上げました。メルカンは、まさしくグーグルがグーグラーをつくっていく考えと一緒です。自分たちでメディアを作り伝えていくことで、働く場所としてのメルカリを自分たちできちんとブランディングして、それに賛同してくれる、共感してくれる人たちの中から採用していきたいと思っています。
――まだ進化の途上だとは思いますが、他社と比べて、あるいはメルカリの理想像と比較して、ブランディングやアイデンティティの統一はどの程度進んでいますか?
『ワーク・ルールズ!』の最初のほうに、ミッションとかバリューといった話が出ていましたよね。実は僕らも相当こだわっていて、ミッション、バリューをことあるごとに口に出しています。
一般的な日本企業がバリューをつくろうとすると、5個とか7個とか、とにかく数が多くなる。その結果、社員にメッセージが伝わらず、まったくなじんでいないという話をよく聞きます。
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