人はハートで動く
――前編では、250人の人事部員全員に『ワーク・ルールズ!』を配布して、それをもとに社内コンテストなどを行った話を伺いました。大企業というよりベンチャー企業がやっていそうなことに挑戦されているようにも見えます。
現代は「人の活力」なんですね。大きな会社になったからといって、メールを1通送ったり、ウェブサイトに何かを書いて物事が動くかといえば、動かないんですよ。ベンチャーだろうが、巨大な会社だろうが、人がどうやって動くかというと、ハートで動くんです。
私たちがウェブサイトなどで発信できることはロジックです。若干そこにハートを入れることもできますが、書かれたものというのは、言葉の持つ情報だけなんです。ですが、話をすれば、そこに声という情報が加わる。トーンから何から全部伝わっていくわけです。今、こうして話していることが文章になるのと、抑揚があって、スピードを変えて、繰り返しを使って話すのとでは、伝わり方は全然違いますよね。
人を動かすには、ロジックも大事だけれども、ハートだと思っています。経営というのはロジックをいくら積んでいっても答えは出ないのです。もちろん、100を3つに絞ることはできるかもしれない。でも、最後、3つのうちの1個を選んで「よし、やろう!」というときには、絶対にハートが必要です。だから、ハートのこもったコミュニケーションで人の活力を引き出すことが重要なのです。
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