「スッキリ!!」を10年支える加藤浩次の仕事術 3つの「やってはいけないこと」を心掛ける
三枝:あの時、加藤さんはおいくつでしたか?
加藤:37歳です。
三枝:ちょうどいい歳ですね、30歳じゃ早すぎるし。お子さんは、もう3人いたときですか?
加藤:3人目がお腹にいるときですね。
三枝:家族がもうひとり増える責任を負わなければいけない時期でもあったんですね。加藤さんのように、切れキャラなんだけど、奥さんとお子さんがいて家庭的なことは、大事なんですよ。マイナスからプラスへのいいギャップが、世の中に受け入れられる接点になるんです。
加藤:最初は、主婦の方々からボロクソに言われていましたけどね。SNSがいまほど普及していない時代でよかったですよ。もし、普及していたら、確実に潰されていましたね。
質問に作為を込めない
三枝:MCのときと、芸人のときでは、スイッチの切り替えをしていますか?
加藤:僕は器用な人間じゃないので、ほぼないですね。僕は自分の感覚とそのときの判断で、いこうと思ったらいく。失礼でも聞いてみよう、スキャンダルを持っている人に対してワンタッチ入れてみようかなとか。そのとき、僕のキャラに合っていない聞き方だと相手は怒りますよね。「そんな無礼なことを言うな」と。でも、僕のキャラに合った聞き方で、僕にうそさえなければ、相手も「ちょっと、やめてよ」と言うのか、笑って話し出すのか……。そこは賭けだったりしますよね。その勝負の間合いが面白いんだろうなと、この仕事をしていて思います。
三枝:なるほど。MCのスキルを分析しだすとキリがないのですが、MCに限らず、ビジネスでも、結果を出している人に共通する4つの力があります。「ギャップ力」「間抜け力」「現場対応力」「聴く力」です。僕の本にも書きましたが、どこにゴールがあるのかを瞬時に判断して、質問したり、相手からのリアクションを受けたりする力がないと、MCはできませんね。
加藤:ゲストを持ち上げるやり方のMCもいますね。その人のスタイルであれば悪いとは思いません。でも、僕に求められているのは、もうちょっとギリギリまでいくことだと思っています。いちばん大事なのは、相手に対して悪意とか下世話な感覚とか、こんなコメントを言わせようとか、僕に作為があるとダメで、それさえなければ何を聞いてもいいと思っています。
三枝:そのように考えるようになったのは、何がきっかけだったんでしょうか?