欧州経済は、2013年後半に底入れか?

アイルランド支援完了へ 欧州の緊縮財政が大転換

ここ数年、債務危機で世界を揺るがしてきた欧州のムードが、じわりと変わってきた。

2010年末、経済破綻によりギリシャに続いてEU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)の財政支援が決まったアイルランド。同国が今、静かに自信を取り戻しつつある。

「アイルランドは今や弱い国(重債務国)の中で最も優等生。次の目標はドイツやフィンランドなど強い国のグループに下位でもいいから入ることだ」。マイケル・ヌーナン財務相の口調には自然と力が入る。

それもそのはずだ。GDP(国内総生産)成長率はギリシャ、ポルトガル、スペインなど他の重債務国のマイナス成長とは対照的に11年からプラスに転換。EUやIMFから突き付けられた金融や労働市場の改革、増税、歳出削減などの条件はすべてクリアし、15年の財政赤字を3%以下(対GDP比)とする目標も余裕を持って達成できる見込み。

年内にはEUなどからの支援プログラムが完了するため、すでに出口戦略の段階に入った。「自前の資金調達に向け今年3月、長期国債発行を再開した。投資家の入札倍率は5倍、低利発行が可能となり、現在流通市場では3.5%程度の利回りで取引されている」(ヌーナン財務相)。

アイルランドは人口450万、小国特有の開放経済が最大の特徴だ。サービスを含む輸出はGDPの105%(11年)を占め、ユーロ圏平均約40%の2倍以上。この輸出が景気回復を牽引している(図)。強みは輸出品目の付加価値の高さだ。製薬が輸出の5割(つまり製薬輸出はGDPの5割強!)を占めるほか、ソフトウエア、世界シェア5割の航空機リースやヘッジファンド管理を擁する金融サービス、食品産業などが輸出の柱だ。

米アップル社の租税回避問題で一躍注目の的となったアイルランドの低法人税率だが、それだけでなくさまざまな外資誘致のための規制緩和やインフラ整備、人材教育を政府が推し進めていることも大きな強みだ。その結果、たとえば製薬では世界上位10社のうち9社がアイルランドに工場を構える。

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