5月下旬からの大暴落。その後も、日本株の株価の下落は止まらず、6月6日には日経平均株価が1万3000円も割り込み、翌7日には1万2900円も割った。5月22日終値に対して、6月7日終値は2750円、17.6%も下落した計算になる。特に、この期間の国内新興株の下落はきつく、東証マザーズ指数は26.3%下落。同指数が高値をつけた5月14日終値から計算すれば36.4%も下落したことになる。
この期間は日本株以外でも世界同時株安となったが、株価下落の大きな要因となったQE3(金融量的緩和策)の早期縮小を示唆する地区連銀幹部の発言が相次いだ米国では、NYダウが0.4%の下落とほぼ横ばい、ナスダックに至っては0.2%のプラスだった。もちろん、急落した地域は多く、香港ハンセンは7.3%、英FTSEは6.3%、独DAXの3.2%、それぞれ下落したが、それらと比べても日本株の下落はきつかった。
株価急落で割安感が浮上
他市場より上昇が大きかったから下落もきつかったといえるが、さすがにここまで下がってくると、株価にも割安感が出てくる。
株価の割安度を図る指標のひとつがPBR(株価純資産倍率=株価÷1株純資産)。1株当たり純資産に対し株価がどの水準にあるかを示すものだ。
このPBRが多くの企業で1倍割れに陥っている。PBR1倍割れとは「株価が解散価値を下回っている」ことを意味する。6月7日終値で算出したところ、算出可能な上場企業のうち6割以上でPBRが1倍割れとなっていたのだ。
PBRが算出可能な3523社で分布を見てみれば、0.5倍未満が全体の20.5%、0.5倍以上1倍未満が同40.1%で、1倍割れの合計では全体の60.5%(2100社)を占めた。ちなみに1倍以上1.5倍未満が同16.7%、1.5倍以上2倍未満が同8.4%、2倍以上が同14.4%だった。
今回、東洋経済オンラインでは、今期の増益が見込まれる、自己資本比率20%以上で時価総額500億円以上の主力企業を対象に、PBRでランキングをしてみた。前2013年3月期決算で財務を改善させた企業も少なくなく、その分、株価の割安度が増している。
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