聞けない理由は単語
それでは、授業のやり方に入っていきましょう。ちなみに僕の授業は飲食OKにしています。というのも、よく授業中に眠たくなったりするでしょう? 体育の後にのどかわいてとか。または、昼飯前に腹減って集中できないとか。だから、チョコなんかは食べてOKと言っているんです。もちろん、本格的に弁当食ったり、せんべいバリバリ食ったりというのは禁止しています。
さて、僕も含めてですが、どうして生徒はリスニングができないかという話です。聞けない理由のひとつ目は、「知らない単語は聞き取れない」というものです。
知らないにも2パターンあります。まずは「そもそも知らない」。たとえばpatientという単語には「患者」「がまん強い」という2つの意味がありますが、最初からこの単語を知らない場合ですね。もちろん聞き取れません。
もうひとつはpatientという単語は知っているんだけれども「パティエント」だと思い込んでいるパターン。みなさん笑いますけど、よくあります。その昔、僕の友達はbaseballという単語を「バセバ11(じゅういち)」と覚えてました。「こう覚えておけば、最後にLが2つつくのを忘れない」と言ってね。
僕らの世代はそれでよかったのです。目で見て答えるテストしかなかったですから。でも、今「パティエント」と覚えている子はpatientという単語の発音がCDから流れてきたら、きっと知らない範疇に入りますよね。
次に聞けない理由としては、音が変化するものを解読できないというのがあります。さらに、早さについていけないからという理由もあります。まあ、受験ではそこまで早いものはないですけれども。最後は、文章が長くて気を失うというパターンです。
これらはもうトレーニング不足なのでしょうがない。ですから、僕は授業でリスニングのトレーニングをするようにしているのです。
以前は僕も生徒に単語を覚えさせるときは、スペリングと意味を覚えるように口うるさく指導していました。またリーディングは全訳が基本。ライティングは部分点狙いの指導でした。明らかにライティングのテストしか意識してない教え方ですね。
海外に行ってラィティングすると言ったら、英文を作るんでしょ。誰かに話しているのが紙になっただけですよね。誰かにしゃべるのが部分点でいいというのはおかしいですよね? 誰かにExcuse me sir, I am looking for a hotel…と聞かれて、「部分点狙ったろう」とかいう話にはならないでしょ?
だから、こんな教え方をしていると、英語の学び直しをしないとダメということになる。それで、今、僕がもっている高校3年生の子たちの場合は、完全にやり方を変えました。
ひとつはスペリングではなく、音をちゃんと覚えること。音と意味重視です。もちろん基本単語はスペリングも大事だと思います。でも、もし仮にスペルが書けないとしても、社会に出たときは、大半の人がパソコンを使って文章を作りますよね。ワードや一太郎を使って文章書くとき、もしスペルを間違えたら、ごつい怒られます? 怒られません。パソコンの中に貞子が入っているんだと思うんですけど(笑)、つづり間違えたやつに赤い線引いてくれますよね?
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