御三家以外で、総就職者数に占める有名企業400社の占有率が30%を越えている大学には、7位で実就職率94.1%の学習院女子大学(占有率33.3%)と16位で実就職率91.3%の聖心女子大学(同35.9%)、31位で実就職率89.1%の白百合女子大学(同34.0%)がある。いずれも就職者数が多い企業の上位に、三大メガバンクや生保などが並び、金融に強い。傾向として有名企業に強い女子大は、御三家も含めた伝統校ばかり。卒業生に対する高い評価もあって、学校の歴史が就職力を支えている面もありそうだ。
体育系は体育教員になる道が多い
ここまで実就職率の高い女子大を見てきたが、ランキング下位の大学についても触れておこう。
実就職率が低い大学の中には、一般企業の就職を目指す学生が少ない学部(学科)系統を持つケースもある。その最たる例は、61位の女子美術大学(実就職率59.5%)。サンリオやトランスコスモスなど、専門性を生かして一般企業に就職する学生もいるが、芸術を志す学生が多ければ、一般的な女子大より実就職率が低くなるのは致し方ない。同じことは競技者志向の学生が少なくない55位の東京女子体育大学(実就職率83.8%)や56位の日本女子体育大学(実就職率83.2%)にもいえる。それでも、この2校は体育を中心とした教員になる学生が多いこともあり、80%台の実就職率を維持している。
芸術系や体育系大学以外でも、就職に不利な系統を持つ学部を有する大学は就職率が上がりにくい。52位の跡見学園女子大学(実就職率86.3%)は、マネジメント学部と文学部の2学部からなるが、マネジメント学部の実就職率が92.9%なのに対し、文学部は81.5%と低い。同大の文学部に芸術系の現代文化表現学科があることが、実就職率が上がらない一因となっているようだ。
就職率は大学の”出口保証”の確実性を示す指標であり、ランキング上位の女子大は高く評価される。一方、ランキング下位にあっても、就職率が上がりにくい理由がある女子大も存在する。就職率だけでは女子大の実力が見えないこともあるのだ。
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