米新政権は「アジアの秩序」をどう変えるか

スタンフォード大の専門家が大予想

米新政権で南シナ海問題はどうなるのか(写真:Imaginechina/アフロ)
2017年1月、米国で新政権が誕生する。新政権にとって、世界の人口の6割を占め、世界の総生産量の3分の2を担うアジア・太平洋地域は重要地域のひとつとなり、多くの政策上の課題に直面することになるだろう。
新政権下でアジアと米国の関係や、米国のアジア政策はどのように変わるのか。米スタンフォード大学のショーレンスタイン・アジア太平洋研究所(APARC)に所属する7人の学者がそれぞれの専門分野における見通しを示した。今回は、南シナ海問題、グローバルガバナンス、高齢化、貿易の展望をお届けする(米中関係、日米関係、北朝鮮問題の展望はこちら)。

一触即発状態の南シナ海はどうなる?

<南シナ海と東南アジア> ドナルド・エマーソン名誉教授

ドナルド・エマーソン(Donald Emmerson)/スタンフォード大名誉教授・上級研究者兼東南アジアプログラム理事。現在は、中国の東南アジアとの関係に関する書籍を編集中

南シナ海は現在、一触即発の状況にあるが、将来的にはここがアジアの転換点となる可能性があり、米国にとっては東南アジア政策最大の課題となっている。

最も懸念されるのは米中衝突リスクだが、仮に南シナ海領域および領空への優位性を主張する中国の活動が実を結び、(a)東南アジアの一部を最終的に中国影響圏に組み入れることができ、(b)これに伴って同地域における米国の影響力が弱まれば、将来の歴史家はこれを転換点と呼ぶだろう。

2017年1月に誕生する新政権がこのような結果を招きたくなければ、以下のようにするべきだ。

(1)主権を争っている6つの国(ブルネイ、中国、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナム)による南シナ海および、もしくは地形のすべてか大部分、あるいは一部の主権要求を現政府同様認めないべきだ。国際法においてそのような主張の有効性は保留にされている。

(2)主権を主張する国を含むすべての国に、2016年7月12日に国際連合海洋法条約(UNCLOS)認定裁判所から発行されたUNCLOSの公定解釈を認め、従うことを強く勧めるべきだ。米政府もまた、その判決に従いUNCLOSを批准するよう努力すると強調しなければならない。

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