勢いで辞表を出したら、金銭面で損をする! 退職前に知っておきたい失業給付のからくり
3. 退職後に退職理由が変わることも!?
ここまで解説したとおり、退職理由によって失業給付は大きく違ってきますが、なんと退職後に退職理由が変わることもあります。
ハローワークでは、賃金や退職理由など離職票の記載内容について本人に確認を取りますが、その際に、退職せざるをえなかった事情があればその旨申し立てることもできます。
たとえば、時間外労働がかなり多いために退職したケース、セクハラやパワハラなどの嫌がらせによって退職したケース、配偶者の転勤などによって退職せざるをえなかったケースなどがあり得ます。これら退職せざるをえなかったケースについては、あらかじめ基準が示されているので、もし該当するような理由で退職したのであれば、それら退職せざるをえなかった理由と資料を提出しハローワークに申し立てることができます。そして、申し立てが認められた場合は、たとえ自己都合で退職した場合でも会社都合と同様に扱われたり、3カ月の給付制限がされずに失業給付をすぐに受給できるようになるのです。
やむをえない事情として認められるケースについては、ハローワークのHPなどで見ることができるので、事前に確認しておくことをお勧めします。
失業給付の金額はどのように決まる?
4. 失業給付の金額は退職日以前6カ月で決まる
失業給付の金額が、どうやって決まるか知っていますか?これは、退職日以前6カ月の給与で決まります。この金額には残業はもちろん交通費なども含まれます。
そのため、たとえば、いつも残業が多いのに退職前の数カ月は有給を使ったために残業がなく、給与も低くなってしまっているケースでは、残念ながら失業給付の金額も低くなるということです。
なお、失業給付の日額は、退職日以前6カ月の給与を180日で割った金額、そのおよそ5~8割の金額になります。
これには、年齢に応じた上限額が設定されています。具体的には退職日における年齢で29歳までは6370円、30~44歳は7075円、45~59歳は7775円、60~64歳は6687円が失業給付の日額の上限となっています(平成28年8月時点)。
そのため、たとえば30~44歳では、7075円×28日=19万8100円が1回にもらえる最大の金額になります。失業給付は、給与に比べると受け取れる金額自体は大きく減ります(失業給付には税金がかからないのは救いですが)。
それでも、決して少ない金額ではありませんから、どれだけ受給できるかどうかで、失業中の生活は大きく変わってきます。セカンドキャリアでつまずかないためにも①退職届を出す前に失業保険の要件をチェックする、②ハローワークに行く前に退職理由をHPで確認する、③退職後はなるべく早くハローワークに行くこと。この3点をぜひ忘れないようにしてくださいね。
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