勢いで辞表を出したら、金銭面で損をする! 退職前に知っておきたい失業給付のからくり

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また、月給者は給与が月単位で支払われているため、給与の支払い日数は暦日数(28~31日)になります(ただし、欠勤があった月は給与から欠勤分を差し引いた給与に対応した日数が給与の支払い基礎日数になります)。そのため、たとえば、1カ月の所定労働日数が20日の会社で、10日欠勤し、その月の給与を20日のうち10日分で支給した場合は、給与支払い基礎日数は10日となります。したがって、「被保険者期間」1カ月としてカウントしてもらえないということになります。

ただし、気をつけてもらいたいのが、たとえば給与が月末締めの会社で、4月15日に入社し、翌年3月31日に退職するようなケースです。このケースは、4月が完全月(1~30日)ではないので、いくら給与の支払い基礎日数が11日以上であったとしても、4月を1カ月の被保険者期間としてカウントしてくれません。そのため、このケースでは、失業給付をもらえないのです。

結局のところ、自己都合で退職する場合は、最低でも1年以上雇用保険に加入していないと原則として失業給付をもらうことができないわけです。冒頭のAさんもこのことを知っていたら、もう少しだけ頑張っていたかもしれませんね。

なお、直近で働いていた会社の期間だけでは、失業給付の要件を満たせない場合であっても、前職で雇用保険に加入しており、“失業給付を受けずに”退職日の翌日から1年以内に就職していれば、前職の被保険者期間も計算に入れてくれます。今の会社を12カ月未満で辞めてしまった場合は、その点をぜひ思い出してください。

退職理由も重要なポイントに

2. 退職理由で大きく違う失業給付

もうひとつ重要なのが、「誰都合」での退職かという点。失業給付は、自己都合で退職した場合と、解雇など会社都合で退職した場合では、もらい方が大きく違ってくるからです。

たとえば、自己都合、いわゆる一身上の都合で退職した場合は、手続きをしてから失業給付を受けるまでに3カ月間、給付が制限される期間があります。一方、会社都合で退職した場合は、自己都合のような給付制限期間はありません。7日間の待期期間後、その翌日から支給対象になります。

また、支給される日数も大きく異なります。自己都合で退職した場合は、雇用保険に加入する年数に応じて支給日数は90日~150日となりますが、会社都合の場合は、年齢と雇用保険加入年数に応じて90日~330日となっているのです。

ただし、ここで注意が必要なのは、あくまでも退職日の翌日から原則として1年間が失業給付をもらえる期間です。そのため、たとえば退職後に半年以上の海外旅行に行き、帰国後に失業給付の手続きをしても日数分をもらえないこともあるのです。つまり、失業給付は退職の翌日から1年間が原則、賞味期限というわけです。

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