電王戦を振り返る、将棋に必勝法はあるか?

人類対コンピュータの「ゲーム」を「ゲーム理論家」が考える

プロ棋士とコンピュータ将棋ソフト、5対5の真剣勝負

著者:安田洋祐(経済学者、政策研究大学院大学助教授) 撮影:尾形文繁

少し前の話になるが、4月20日まで5週にわたって、人類対コンピュータの頂上決戦が行われていたのをご存じだろうか。

日本の誇る伝統的なボードゲーム将棋の「(第2回)電王戦」と名付けられた真剣勝負で、現役プロ棋士5人と5つのコンピュータソフトが団体戦形式で戦った。

対局の模様はインターネットの動画サイトで生放送され、合計なんと200万人以上が勝敗の行方を見守ったのである。

結果は衝撃的だった。全5戦の通算成績はコンピュータ側の3勝1敗1引き分けで、プロ5名を擁する人間側を見事に下した。

最終局で、東京大学の研究者らが開発したソフト「GPS将棋」に破れた三浦弘行八段は、
「(自分の指し手の)どこが悪かったのかが、わからない」
「(GPS将棋には)つけいるすきがない」
とコメントしている。

プロ棋士界の中でも最高峰のA級に属する三浦八段をしてこう言わしめる、その圧倒的な強さを支えるのが、コンピュータのズバ抜けた計算能力だ。

次ページ最善手を正確に選び続けられる、安定した強さ
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 日本野球の今そこにある危機
  • ブックス・レビュー
  • 野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナ時代の勝者と敗者<br>不動産 熱狂の裏側

実体経済の悪化を尻目に、国内外から熱い視線が注がれる日本の不動産。業界の雰囲気とは対照的に、上場不動産会社の株価は軒並み軟調です。コロナ後の新常態で誰が笑い、誰が泣くのでしょうか。現場の最新情報を基に不動産市場の先行きを展望します。

東洋経済education×ICT