イオンシネマ社長が語る「映画館の存在意義」 なぜシネコンを「大学の学び場」にしたのか

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イオンシネマ幕張新都心のロビー。イオンシネマはイオンモール内を中心に国内最大級の84カ所709スクリーンを擁する(撮影:尾形文繁)
『君の名は。』『シン・ゴジラ』などの大ヒットで、活況を呈している映画業界。4DX、IMAX、3D、吹き替えなど、気に入った映画にはフォーマットを変えて何度も観賞する多くのリピーターが集まる反面、まったく映画館に行かない層も一定数存在する。日本の年間興行収入は2,000億円前後の水準をほぼ横ばいで推移しており、映画館での平均観賞回数も1.3回。これは世界的に見ても少ない数字だ。Hulu、Netflixなど動画配信サービスが注目を集める中で、今後の映画興行界は、「映画館に行かない層」をいかにして掘り起こし、訴求するかが課題となっている。
そんな中、全国に国内最大級84カ所(709スクリーン)の「イオンシネマ」を展開するイオンエンターテイメントが、シネコンとしては初となる産学連携の取り組み「CINEMA EDUCATIONPROGRAM」を本格的に開始した。その第一弾として、映画を通じて 外国の文化や言葉、社会背景を学べるカルチャープログラムを神田外語大学と共同開発。作品の上映と、映画が描き出す時代背景を専門家に解説してもらうなど、地域に住む人々にとっての生涯学習の場として取り組んでいる。一方、千葉商科大学とは、映画鑑賞をベースに「映画興行市場におけるサービス創造」を担う人材を育成するために、映画観賞をカリキュラムに盛り込んだ授業を編成。学生たちが、映画館で映画を観ることで単位を取得するという試みを10月から開始している。
イオンシネマが2つの大学と連携し、これらのプログラムを展開する背景に、先の映画館に行かない層への掘り起こしがある。そうした狙いとイオンシネマの展開を含めてイオンエンターテイメント社長の牧和男氏に話を聞いた。

「映画館で観る」機会を増やしたい

この連載の過去記事はこちら

――イオンシネマが大学とタッグを組んで映画教育を行おうというきっかけを教えてください。

2014年、社長着任時に、映画館のない会津若松市の中学校で上映会を行い、その時の生徒さんの感想文には、「初めてこの大きなスクリーンで映画を観ました」「初めてみんなの前で泣きました」「初めて友達と一緒に映画観ました」といった感想が多くありました。この会津若松市での経験を通じて、映画が「娯楽」で伝わるのではなく、「教育」という視点で多くの人々に観ていただく機会が作れないだろうかと思い、今回、神田外語大学と千葉商科大学との産学連携をスタートさせることになりました。

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