イオンシネマが子ども映画を重視するワケ

『劇場版 ゆうとくんがいく』に込められた戦略とは

 4年に1度のサッカーのW杯イヤーを迎えた2014年。イタリアの名門サッカーチームFCインテルに所属する長友佑都選手をモデルにした子ども向けのアニメ作品『劇場版 ゆうとくんがいく』が、5月31日から全国のイオンシネマにて独占上映されている。
 この“ゆうとくん”が主人公の成長物語は、全国のケーブルテレビおよびCS放送で放送中のディズニーXD のショートアニメがベースになっている。第一線で活躍する現役サッカー選手を、日本で初めてアニメ映画の主役に抜擢し、さらに選手本人が監修を行うという本格的な作品作りを行っている。
 実はこの作品、映画館「イオンシネマ」を運営するイオンエンターテインメントが自ら配給する作品で、全国のイオンシネマで公開されている。今回、イオンエンターテインメントの小金沢剛康プロモーション部部長に、業界ナンバーワンのスクリーン数を誇るイオンシネマを擁する同社が、なぜこうした作品を配給するのか。その取り組みと狙いを聞いた。

主人公は世界ナンバーワンサイドバック・長友佑都選手

――もともとこの『ゆうとくん』は1分ぐらいのショートムービーから派生したものですよね。

CSのディズニー・チャンネルで放送されていた60秒のショートアニメで、それが全部で26話ありました。もともと当社はそこにはかかわっていなかったのですが、そういう番組があることは知っていました。そんなとき、(制作プロダクションの)白組さんと、これを映画化するのはどうか、といった話があり、そこからスタートしました。

――ファミリー層向けの企画ですね。

基本的にイオンシネマは郊外型の出店が多く、車でご来場していただくことが多いので、自然とファミリー向けの劇場になっています。実際、ファミリー層のシェアは高いので、そういう意味では、会社としてもかなり気合いを入れてやっています。ですから、もともとは1分のショートアニメではありましたが、最初から、映画にしてお客さまたちに楽しんでいただける作品にできる自信はありました。

――長友選手を主人公にしようというのは、白組からの企画だったわけですね。

そうです。ただ、私どもも長友佑都選手が学生時代に苦労したことは知っていましたからね。そういった苦労をしたとしても、世界ナンバーワンサイドバックと呼ばれるまでに成長して、世界で活躍することだってできるんだよと、子どもたちに伝えたかった。長友選手はどちらかといえば、努力型の人ですよね。ですから、長友さんを題材にしたアニメと聞いたときに、われわれも少しホッとしたところはありました。

(C)チームゆうとくん
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