「求む、ガリ勉!」アメリカの大学のやり方

トップスクールが実践する極めて合理的な選抜の方法(前編)

新入生獲得大作戦:スタンフォード大学経済学部の場合

会社なら新入社員、大学や学校なら新入生でにぎわう新しい出会いの季節は、日本では春、4月ということになるだろう。アメリカでは新年度は9月に始まるので事情が異なる。

……と思いきや、実は僕らアメリカの大学教員にとっても、4月は新入生との出会いのシーズンなのである。ただしもちろん入学ではなく、大学院に合格した学生が大学を見て回り品定めをする時期という意味での「出会い」だ。

僕が働いているスタンフォード大学の経済学部でも、今年2013年は4月の8日と9日に、合格した学生のためのイベントが開かれた。

アメリカの大学院入試では、各学生がたくさんのプログラム(=大学)に応募するので、1人でいくつもの大学院に合格してしまうケースも珍しくはない(というか大多数がそうである)。合格した後に大学が主催するイベントに参加してみて、どのプログラムに行くかを決めればいいのだ。

我が校でも優秀な学生を採用すべく、教員、職員、大学院生と学部を挙げていろいろなイベントを行う。1対1での教授とのミーティング、セミナーや授業の見学、教授陣や大学院生とのランチやディナーなどなど(今年は勢いで深夜まで飲みに付き合った同僚もいた)。

スタンフォードは最難関のひとつなので買い手市場かと思いきや、ハーバードかMITに合格した学生はたいていそちらに行ってしまうので、必死に勧誘をするのだ。

大学院の学生選抜はどのように行われるのか?

さて、こういったイベントの前には、当然のことながら厳しい選抜が行われている。入試や進学に思いを巡らすと、しばしば提起される「なぜ日本人は海外の大学(大学院)に行かない(もしくは行けない?)のか」という問いは、いかにも初めに言った内向き志向に関係していそうだ。

僕が日本人だからというのも大きいだろうが、アメリカにいても、こういった話を耳にすることは結構ある。ただそんなとき、語りつくされてきたと思われる定番のストーリー群に、自分自身の経験が一致するかというと、必ずしもそういうわけではない、というのが実際のところだ。

次ページそれでは、何が違うのか?実際の経験から
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