上昇した実質金利の低位安定化が急務 水野温氏・元日本銀行審議委員に聞く(下)

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量的・質的金融緩和は、今年度の国債発行額の7割相当を買い上げる枠組みであるため、さらなる国債購入は追加緩和策として採用しにくい。日銀総裁就任後間もない期間で決めた金融緩和策なので、細かいことを詰めきれなかったのではないか、という不信感も国債市場にはある。

黒田総裁は、必要ならば柔軟な政策対応をするとしているが、国債の買い入れ年限の長期化の方針を見直すなど金融緩和の後退と見られる政策対応には極めて消極的だと思われる。

量的・質的金融緩和が成功したかどうかは、今年半ば以降に内需主導型の景気回復やインフレ期待の上昇が実現できているかが一つの判断基準になる。仮に長期金利上昇によって円安・株高の流れが逆転するようなことがあれば、日銀が再度、金利ターゲットを採用し、時間軸を強化することが必要になってくるかもしれない。 

大崎 明子 東洋経済 編集委員

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おおさき あきこ / Akiko Osaki

早稲田大学政治経済学部卒。1985年東洋経済新報社入社。機械、精密機器業界などを担当後、関西支社でバブルのピークと崩壊に遇い不動産市場を取材。その後、『週刊東洋経済』編集部、『オール投資』編集部、証券・保険・銀行業界の担当を経て『金融ビジネス』編集長。一橋大学大学院国際企業戦略研究科(経営法務)修士。現在は、金融市場全般と地方銀行をウォッチする一方、マクロ経済を担当。

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井下 健悟 東洋経済 記者

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いのした けんご / Kengo Inoshita

食品、自動車、通信、電力、金融業界の業界担当、東洋経済オンライン編集部、週刊東洋経済編集部などを経て、2023年4月より東洋経済オンライン編集長。

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