上昇した実質金利の低位安定化が急務

水野温氏・元日本銀行審議委員に聞く(下)

量的・質的金融緩和は、今年度の国債発行額の7割相当を買い上げる枠組みであるため、さらなる国債購入は追加緩和策として採用しにくい。日銀総裁就任後間もない期間で決めた金融緩和策なので、細かいことを詰めきれなかったのではないか、という不信感も国債市場にはある。

黒田総裁は、必要ならば柔軟な政策対応をするとしているが、国債の買い入れ年限の長期化の方針を見直すなど金融緩和の後退と見られる政策対応には極めて消極的だと思われる。

量的・質的金融緩和が成功したかどうかは、今年半ば以降に内需主導型の景気回復やインフレ期待の上昇が実現できているかが一つの判断基準になる。仮に長期金利上昇によって円安・株高の流れが逆転するようなことがあれば、日銀が再度、金利ターゲットを採用し、時間軸を強化することが必要になってくるかもしれない。 

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