その2:精神的に無茶 メンタルキャパシティオーバー
仕事そのものはものすごく大変ではなくても、頼まれ方やタイミングによっては、感情的に受け入れがたい無茶ぶりと感じられることも多いでしょう。このメンタル面でのキャパシティオーバーは、「このくらいはOK」という明確な線引きができないことが特徴です。調子のよいときなら流せる無茶ぶりも、そうでない時にはかなりのダメージを受けることがあります。
自分も相手も大切にする自己表現
ここで紹介したいのが、「アサーション」というコミュニケーションの手法です。アサーションとは、「自分も相手も大切にする自己表現」という意味です。日本語では一言で言い表せる言葉がないため、アサーションという言葉を使わせてください。
一方的に自分の主張を通すわけでもなく、相手の主張をなすがままに受け入れるわけでもなく、自分の気持ちや状態を、相手を配慮しながら伝える力だと思ってください。伝え方として、「DESC」を紹介します。つらい会議を延々と続けているという状況での使い方の例とともに説明します。
「会議がはじまって1時間以上経ちますが、意見が減ってきましたね。」
「私は少し集中力が落ちてきました。他の方もつらそうです」
「今日はここで切り上げるかどうか決めませんか?」
「もし今日中に決める必要があるならいったん休憩をとってもよいでしょうか?」
このように自分の気持ちを率直に伝えるのがスタートですが、ここで気をつけてほしいのは、自分が感じた感情を否定しないということです。「こう感じるのは自分が間違っているのでは?」と思う必要はありません。感じ方は自由であり、それを表現することも権利であるというのがアサーションの考え方です。
自分のメンタルキャパシティが本当にオーバーしてしまうまで無茶ぶりに我慢し続けても、上司にも自分にもよいことはありません。無茶ぶり仕事そのものはなくならないとしても、上司に話して納得のうえで仕事を受けて、メンタルキャパシティオーバーを防ぎましょう。
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