われわれのような医師の人材紹介会社においては、日々、全国の医療機関から求人情報が送られてきます。医師は全国的に不足傾向があるため、その求人数は半端でなく多いのですが、どの科目も万遍なく多いかというと、そうではありません。当然、医師が不足している科目の求人が多く、充足傾向の科目は少なくなります。
圧倒的に求人が多いのは内科
では、医師数が足りていないのは何科か?
求人ニーズが圧倒的に多いのは内科です。円グラフを見ていただくとわかるように、内科系、外科系、その他を分類すると半分が内科系になります。これは受診する患者の半分が内科系のため、医師の割合も内科が半分を占めるからです。つまり医師不足の半分は内科医不足と言うことができるのです。
また内科といってもいろいろな専門がありますが、求人科目を数の多い順から並べると表のようになります。ベスト10のうち6つが内科の科目です。
一般の人が不足している科目をイメージすると、小児科や産婦人科、麻酔科などを思いつかれるのではないかと思います。不足状況にあることに間違いはないのですが、そういった科目は医師数が少ないうえに訴訟リスクや経営上の問題から、病院を集約化する動きがあります。それゆえ科目を標榜する医療機関が少なくなっており、求人の数ということでは、それほど多くはありません。
また皮膚科や耳鼻科、放射線科などといった他科系(内科や外科をメジャー科と呼ぶのに対してそれ以外の科目はマイナー科と呼んだりもしますが、ここでは他科系と言います)も、求人は比較的少なくなります。病院というのは赤字のところが多く、特に民間病院は収益性を気にします。一般的に検査や手術が多い科目というのは診療点数が高くなり収益性も伸びるのですが、皮膚科、耳鼻科に代表される他科系は手術が少ないことから、それほど医師を募集しません。また患者ニーズがそれほど高くない科目については、大きな総合病院でも1~2人くらいで事足りたりします。実際、特定の科目においては、弊社にも求人はほとんどないこともあります。
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