まずは、地域についてです。
医師のいる地域、いない地域
地域の偏在を知っていただくための資料として、厚生労働省が発表している「人口10万対医師数」というデータがあります。
これは都道府県別に10万人の人口に対して何人の医師がいるかということを示したデータですが、多い県のベスト3は、1位京都府286.2人、2位東京都285.4人、3位徳島県283.0人となっており、反対にワースト3は、1位埼玉県142.6人、2位茨城県158.0人、3位千葉県164.3人となっています。少し意外な結果だと思いませんか?
普通に考えると医師は東京に集中し、医師がいないのは東北や北海道ではないかと思われる方が多いかもしれません(ちなみに医師に医師が多い県、少ない県のベスト、ワーストを質問しても、完璧に答えられるような方はほとんどいません)。
このデータから労働市場的に読み取れることは何か?
たとえば京都府と埼玉県においては、医師の充足数が倍違うということになります。そうなると医師が多い京都は当然のことながら求人の数は少なく、求人があっても埼玉県などの医師不足の地域よりは、給与などの条件が悪くなる傾向があります。
埼玉県で2000万円の年収があった医師がいて、何かしらの理由により東京都に転居を希望されたとします。今の年収ベースの希望があったとしても、それが東京でもかなえられるのか? 求人はあったとしても、その条件に見合うところはかなり少なくなると思います。
もちろん京都や東京においても、中心部の都市と交通アクセスが悪く都市部からかなり離れた地域では、医師数は少なくなります。ただ医師が転職するにあたって、その地域の医師の充足状況というのは、ある程度冷静に把握したうえで活動しないと、失敗する可能性があるのです。
科目においても偏在はある
次に知っていただきたいのは科目についてです。
医師は医師免許取得3年目の後期研修から、自分が進む専門科目を選択しなければなりません。自分がやりたい科目を選択するというのが大前提にはなるのですが、ここでも少し認識をしたほうがよいのが、科目別の求人ニーズです。
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