
”戦う哲学者”中島義道氏のインタビュー(上)「今の若者はプライドが高すぎる」はこちらから
昔はとても暗くて生きやすい時代だった
――そもそも働きたくない人はどうすればよいのでしょうか。
働きたくない人は、実はほとんどいないと思いますね。働かず、朝から晩まで寝ていても、遊んでいても、面白くないもん。ただ、若い人にとっては職場の人間関係が大変なんですよ。そして、今の若い人は人間関係に対するスキルを磨いていないから、たちまちくたびれてしまい、会社を辞めてしまう。
私たちの時代は、とても暗い時代で生きやすかった。ほとんどの人がしたいことができませんでした。大学に行けた人は当時2割くらいでしょうね。1965年に東大に入ったのですが、授業料が月に1000円。それすら払えない人もいて、ほとんどの者はすごく貧しかった。夏には白いワイシャツと黒いズボンで3カ月通し、冬でもオーバーを着られないという学生もいました。まだ炭鉱事故があったし、東北では飢饉があって、貧乏ゆえの悲惨な事件がたくさんありました。





        
        
        
      
        
      
          
          
          
          
        
        
        
        
        












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