ES、あるいはアイディアのクラウドソーシング
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著者:水越康介(経営学者、首都大学東京准教授) 撮影:今井康一
就職活動を終える学生も増えてくる時期である。ゼミ生の話を聞くかぎり、去年より状況はよさそうだ。
1月頃は、説明会の登録やES(エントリーシート)作成に右往左往していた彼らだが、「就活」の要領がわかってくれば、淡々と事務作業的にこなすようになっていく。
ESでは、ここぞとばかりに自社のためのアイデアを募集している企業も多い。
「我が社にふさわしい新製品を企画せよ」、「こういった製品が、どうすれば売れるかを考えよ」、「10年後を見据えた企業戦略を立案せよ」といった設問を、よく見掛ける。
せっかくの機会、学生の頭を借りてみようということなのだろうか。いいアイデアが見つかるのかはよくわからないが、これもある意味クラウドソーシングだ。
さて、学生が研究室に持ってきたESの一つに面白いものがあった。どこかのメーカーのものらしく、実にシンプルなケースなのだが、答えようとすると難しい。僕もこっそり、答えを考えてみた。
次のようなケースである。
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