外国人投資家は、日本株を買い増すのか 吉崎 達彦が読む、ちょっと先のマーケット

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折もよく、いま日本は、大手企業の決算シーズンがそろそろ終了しようとしている時だ。6月の株主総会までは経営陣の海外出張も少ない。「日本企業は何を考えているのか」を見極めるには、日本を訪問して経営者を捕まえて聞くのが一番手っ取り早い。ついでに言えば、円安のおかげで日本滞在のコストは安くなっているし、今の時期は気候的にも悪くない。かくして外国人投資家の日本企業参りが増えているというわけだ。

外国人投資家も情報を欲しがっている

さらに6月中旬には、「アベノミクス」第3の矢である成長戦略の全貌も発表される。安倍晋三首相としては、これを携えて6月17~18日に英ロックアーンで行われるG8サミットに出席し、日本経済の復活をアピールしたいところ。もっとも成長戦略の中身がどうなるかは、少々心もとないところもある。

鳴り物入りの成長戦略がプアーであると見れば、ここまで買い進んだ日本株を売って、とりあえず利益を確定させようとする動きもあるだろう。ゆえに彼らと面談すると、「日本経済は本当に変わるのか、安倍政権は大丈夫か、成長戦略の目玉は何か」などと質問攻めにされる。そんなこと言われたって、われわれだって半信半疑なんだけどねえ。

 さて、問題は日本企業の動向である。

最近の景気指標から浮かび上がってくるのは、元気な家計部門と、慎重な企業部門の対照的な姿である。この半年で、消費マインドは見違えるほどに改善した。株高・円安による資産効果、さらには消費税増税前の駆け込み需要なども手伝って、住宅や高額商品がよく動いている。身近なところで「プチ贅沢」が増えている話はよく聞くし、5月の大型連休の人出も好調だったようだ。

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