“就活解禁の後ろ倒し”、メリットは皆無?

常見陽平氏が一刀両断

シラバスには立派なことが書いてあっても、実際の授業は何十年も前と内容が変わっていないというケースもあります。老教授が毎年同じことを講義しているのですが、こうした状況を誰もチェックしていません。

今の日本の大学では、勉強しても得になりません。就職において大学での成績が問われることはあまりありません。成績判定基準が大学によってバラバラなので、成績で就活生を評価することが難しいのです。学生に勉強させる仕組みが整っていません。

「就活のせいで大学生が勉強しない」というのは誤りです。

――学生は留学しやすくなりますか?

日本人の海外への留学が少ないという認識が間違っているのではないでしょうか。米国への留学は減少していても、ほかの国への留学は増えています。日本人学生は内向き志向ではなく、留学は増えていると見るべきです。

日本人留学生は6月に帰国するので、8月からの選考には間に合いますが、就活をスタートする時期は国内組よりも遅くなります。就活を行いづらいことに変わりありません。後ろ倒しにしたからといって留学が増えるということはないでしょう。

――3月解禁は学生にとってベストと言えますか?

教育実習、公務員試験などとの兼ね合いが問題です。後ろ倒しにすると就活期間と 教育実習、公務員試験が重なってしまいます。教育学部や文学部の多くの学生は、民間企業への就職を希望していても教育実習に参加します。

実習は4年の6月頃ですから、民間企業の説明会やエントリーシート提出の時期となります。実習の前後には事前指導やレポート作成があるので、実習と就活の両立は難しいのです。

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