“就活解禁の後ろ倒し”、メリットは皆無?

常見陽平氏が一刀両断

大手有名企業は困りませんが、中小企業は戦々恐々としています。これまでよりも学生が準大手や中堅企業に目を向けるのが遅くなるでしょう。

しかし、だからといって中小企業が採用できなくなるとは言い切れません。大学に入り込んで就活生とのコンタクトを増やすことができれば採用できるでしょう。中小企業は情報開示が不十分なので、早い段階から詳しく情報を学生に伝えていく必要があります。

――キャリアセンターへの影響は?

3月スタートというと、3月まで遊べると考える学生は少なくありません。本来は3月までにいろいろと準備しなくてはなりません。学生のモチベーションを高めるための手間が増えるでしょう。

3月前のプレ就活期間をどうするのかは大きな問題です。早めに就活を開始した学生が就活に成功している実態を見ると、この時期はとても重要です。

――リクナビやマイナビなど就職サイトを運営する企業にも、影響が出るのではありませんか?

常見陽平(つねみようへい)
人材コンサルタント、著述家、実践女子大学・武蔵野美術大学非常勤講師 、クオリティ・オブ・ライフフェロー、HR総合調査研究所 客員研究員。現在、一橋大学大学院社会学研究科修士課程に在籍中。

 

広告を掲載する期間が短くなってしまいます。課金システムが変わるのではないでしょうか。広告を見て応募した人数、または採用した人数によって広告料金が決まるという形も想像できます。

また、3年生の夏休みにインターンシップを経験した学生のモチベーションを、3月まで維持させるビジネスを考案することになるでしょう。

倫理憲章に抵触しない形でセミナーやインターンシップ仲介などを強化すると思います。

最近は政府が学生の内定率を上げるために多額の予算を計上しています。就職サービス会社はこうした予算を基にした公共事業を取り込むようなビジネスに力を入れていくでしょう。

――後ろ倒しは誰にとってメリットがありますか?

後ろ倒しは単なる人気取り政策であり、劇的な変化はないと思います。大改革のように見えますが、誰も喜ばないし、誰も救われないでしょう。

(撮影:今井康一)


 

キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • あふれる独自性 ニッポンのすごい研究者
  • 本当は怖い住宅購入
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
改正対応待ったなし!<br>働き方と仕事の法律

同一労働同一賃金の本格化、中小企業でのパワハラ防止対策の義務化など、今年は重要な改正法の施行が目白押し。2022年に施行される法律の要点に加え、昨年の4月に施行された改正民法も総点検。改正ラッシュへの備えを万全にするための法律虎の巻です。

  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT