新人は仕事のミスを気にしすぎてはいけない とはいえミスを減らすコツは押さえておこう

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 私自身も入社から半年程度はミスの総合商社のような状態だったことを思い出します。勤さんのような新人を評価する際には、通常「現時点において」ミスが多いか否かではなく、「入社時点からの成長カーブ」でもって評価をするのが普通です。

 そうでないとそもそも挑戦なんてできません。企業の側も、若い人たちの創造性を享受できません。

ということで、最初のうちはミスをするのは極めて普通だと思ってください。そうでなければ、むしろ新卒入社の社員が普通にこなせる仕事「しか」していない既存社員の価値とは何なのか、という話にもなってしまいます。

なぜミスが多いのか

 そういう前提のもとに、なぜミスが多いのかを考えてみましょう。仕事に不慣れということもあるでしょうが、たいていの場合には、理由は別の場所にあります。突き詰めると仕事(や作業)の「全体感が見えていない状態」にあるからではないでしょうか。

全体感が見えていないがゆえに、作業の方向性や優先順位を誤ってしまうのです。表面上に現れる現象は多々あれども、根底にあるのは全体像が見えていないことが原因だと思います。

全体感が見えていない簡単な例を挙げると、例えば上司に「台数と単価の推移を見ておいて」と言われたとします。

新人は往々にして真面目ですから、台数と金額という構成要素「のみ」を見て作業を開始します。もろもろ作業を徹夜とかしてこなし「台数はほぼ横ばい、単価は二けた増の大幅アップ」という結論を導き出したとします。

意気揚々と上司に報告するわけですが、「その割に売り上げは2%しか伸びていないぞ。これは何故なんだ?」と問われて答えられず、結果的に撃沈してしまうわけです。

この場合、台数と単価という構成要素の結論である売り上げをきちんと見て、結論としての売り上げと自分の作業結果に違和感がないか(=ミスはないか)を確認できるか否か(=検算をできるか)が、まずは勝負の分かれ目です。

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