マルちゃん正麺に学ぶ、子どもの”導き方” SWOT分析で教育を分析しよう

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しかし、現在は違う。市場が成長しないということは、企業が成長したい場合、他社からシェアを奪取するしか方法がない。また、市場が成熟しているということは、製品・サービス自体の完成度も高く、製品・サービスそれ自体での差別化は難しい。だから、脳みそを使い、どうやって他社からシェアを奪取するのか、製品・サービスそれ自体以外で差別化するにはどうすればよいのか、を考える力が求められる。その結果、入試問題でもガンバリズムではなく「考える力」が重視されるようになってきている。

入試問題も変わった

かつての入試問題は過去問の焼き直しが多く、頑張って過去問を解いていること、定番問題が数多くあり、それをこなし、定番問題を定番の作法にのっとって解くことが求められていた。努力の量で成績が決まり、過去の規範にのっとって問題に答える力が求められた。すなわち、経験則を重視することが求められた。

しかし、現在の入試問題は違う。2013年の麻布中学のドラえもん問題にも見られるように、初見の問題に対しても、限られた時間の中で自分なりに対処法を考え、問題を解決していく力が求められる。したがって、もちろんベースとなる基礎知識を習得することは、たいへん重要なのだが、一方で、初見の問題に対してもゼロベースで問題解決の方針を組み立て、挑戦することが求められるわけだ。

このようなスキルは、パパやママも、問題解決トレーニングやロジカルシンキングの講座などでトレーニングを受け、ビジネススキルとして身に付けていることだろう。ということは、子どもたちの問題解決スキルを向上させるために、パパやママのビジネス経験を生かすことができるということでもある。

牧田 幸裕 名古屋商科大学ビジネススクール 教授

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まきた ゆきひろ / Yukihiro Makita

1970年京都市生まれ。京都大学経済学部卒業、京都大学大学院経済学研究科修了。ハーバード大学経営大学院エグゼクティブ・プログラム(GCPCL)修了。アクセンチュア戦略グループなどを経て、2003年日本IBM(旧IBMビジネスコンサルティングサービス)へ移籍。インダストリアル事業本部クライアント・パートナー。IBMでは4期連続最優秀インストラクター。2006年信州大学大学院経済・社会政策科学研究科助教授。2007年准教授。2018年より現職。名古屋商科大学では5年連続ティーチング・アウォード受賞。著書に『デジタルマーケティングの教科書――5つの進化とフレームワーク』(東洋経済新報社)などがある。

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