ユニリーバがベンチャー買収を繰り返すワケ 消費財業界は統合の時代を迎えている

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インカンベント企業が、まだ比較的小さいうちにライバル企業を吸収しようとするのは珍しいことではない。ダラーシェイブクラブもセブンスジェネレーションも(そしてオネストカンパニーも)それぞれの業界に大きな影響を与えてきた。

前者は、他社と比較して何分の1かの値段でヒゲ剃りの替刃を販売するサブスクリプションサービスを提供することによって、後者は、環境問題に取り組むという目的に導かれた強力なブランド像を確立することによってだ。

流通にもたらされた革新

ユニリーバでホームケア部門のプレジデントを務めるニティン・パランジピ氏は、「セブンスジェネレーションを獲得したおかげで、ユニリーバは目的を持った高品質な製品に対して高まる需要に応えられるようになるだろう」と語る。また、プロフィテロのアンダーソン氏は、「こうした買収が、市場を上回るペースで成長する、若くてファッショナブルなブランドを象徴している」という。

デジタルは、これまであった小売業者と供給業者の関係を変え、両者のあいだに著しい重複を生じさせた。いま、小売業者が独自ブランドを確立しようとする一方で、供給業者とブランドは消費者に直接リーチする新たな方法を考案しつつある。

P&Gやユニリーバのようなレガシー企業は依然として、この変化する状況を切り抜けるのに苦労しているが、ダラーシェイブクラブやオネストカンパニーなどの新興企業は、直販型ブランドの確立に成功している。こうした新興企業はソーシャルメディアを通じて消費者とのデジタルコネクションを築き、それを活用してマーケティングだけでなく、製品の販売も行っている。彼らは製品だけでなく、流通の最前線にも革新をもたらししつつあるのだ。

エージェンシーのレイザーフィッシュでコマースおよびコンテンツプラクティス部門のシニアバイスプレジデントを務めるジェイソン・ゴールドバーグ氏は次のように述べている。

「彼らはデジタルネイティブの垂直統合型ブランドだ。こうした企業を買収する理由のひとつは『アクハイアリング』(「買収」と「採用」を組み合わせた造語。人材の獲得を目的とする買収)にある。このアクハイアリングがデジタルネイティブ度の高い優秀な人材を組織にもたらし、その不足を埋める力になる」

Tanya Dua (原文 / 訳:ガリレオ)

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DIGIDAY[日本版]編集部

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