ユニリーバがベンチャー買収を繰り返すワケ

消費財業界は統合の時代を迎えている

こうした課題に直面するユニリーバなどのブランドには、2つの選択肢がある、と小売業界カンファレンス「ショップトーク」のチーフリテールストラテジスト、スチャリタ・ムルプル氏は語る。製品とプロセスを内部から迅速に一新するか、イノベーションを可能にする新規あるいは近接分野の企業を外部から買収するかのどちらかだ、というのだ。ファウンドリーという社内スタートアップアクセラレーターにも投資してはいるユニリーバだが、社外にイノベーションを求めざるをえない状態が続いている。

ブルームバーグが9月16日付けで報じたところによると、ユニリーバの最高経営責任者(CEO)ポール・ポルマン氏は「革新的な企業は内部と同程度に外部に可能性を求めなければならない」とインタビューで語っている。また同氏は、ユニリーバはダラーシェイブクラブのような企業をさらに買収する意向であるとも語り、「我が社の将来のイノベーション能力を生み出す中心的なインキュベーターは、内部よりも外部にいる可能性が大きいと私は見ている」と述べている。

かねてよりユニリーバは、パーソナルケア製品分野への参入を試みてきたが、その分野は近年、同社のライバルであるプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が握っている。タフツ大学フレッチャースクールのバスカー・チャクラボーティ教授がハーバード・ビジネス・レビューの記事ので指摘しているように、この動きは、ユニリーバが最近見せているブランドとカテゴリーの入れ替え、およびスタンダード&プアーズとモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルの両指数における「加工食品」部門から「個人用品」部門への移動からも見てとれる。

求めるのは圧倒的な成長

ダラーシェイブクラブ、そして今回のセブンスジェネレーションの買収により、ユニリーバはいま、P&Gとの争いで戦力になりうるCPGブランドからなる多様なポートフォリオに真っ直ぐ狙いを定めた。

「ユニリーバのような規模の企業にとって、小さな賭けをすることは意味をなさない。求められているのは圧倒的な規模の成長だからだ。業界内のチャレンジャーブランド(トップブランド以外のブランド)を獲得し、それを10億ドル(1000億円)規模のビジネスから、50億~100億ドル(5000億〜1兆円)規模のビジネスに変えるほうが理にかなっている」とショップトークのムルプル氏は語る。

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