「組織密度」と「組織熱量」で最強の中堅企業に

「体質」を誇る中規模の「城」が日本の競争力を高める

島精機製作所では島正博社長は1日に2度、現場を隅から隅まで歩き回り、1度の巡回で最低10回は現場の社員たちに声を掛ける。現場の声に耳を傾け、社長からも質問を投げ掛ける。

ナイスでは「パワーホーム」の競争力強化のためのさらなる改善を推進する「AI会議」を週に2回開催し、平田恒一郎社長をはじめ約30名が参加し、熱心な議論が繰り広げられている。社長自らが現場のアイデアに耳を傾け、メンバーのひとりとして一緒に知恵を絞っている。

同様のことが、部門間という横の連携でも言える。大企業では縦割り組織の弊害によって、部門間の協業がうまく進まないケースが多い。そうした問題を是正するために、CFT(クロス・ファンクショナル・チーム)などを組織化するのだが、本来なら部門間連携は日常のビジネス活動の中で行われるべきものである。CFTを形成しなくてはならないこと自体が、組織運営に問題があることを暗示している。

“ひとつの塊”として動くことができる「組織密度」の高さは、方針の徹底、現場の声の吸い上げ、緊密な部門間連携、そして一体感の醸成など大きな競争上の優位性を生み出す。「組織密度」を高めることが、中堅企業ならではの卓越した「体質」につながるのだ。

大きな「組織熱量」がビジョンの実現につながる

「組織密度」の高さは一体感の醸成につながるが、それだけでは単なる「仲良しクラブ」に陥りかねない。一体感を競争力につなげるためには、そこから大きなエネルギーを生み出さなければならない。それが「組織熱量」である。優良中堅企業は「組織密度」が濃密なだけでなく、そこからとてつもないエネルギーが生まれている。それこそが独自の価値創造をドライブさせる源だ。

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